じつは就職活動には、かなり自信があったんです。サッカー部の中心としてがんばってきた経験もあり、自分のことを理解してもらえばきっと採用されるはずだと。ところが、まったく結果がでない。いったい何故なんだろう、どこが悪いんだろうと真剣に悩みましたね。
そんな時にキャリアセンターの職員の方が気にして声をかけてくださいました。「いちど模擬面接をやってみよう」と。そこで指摘されたのが「しゃべりすぎ」ということだったんです。自分のことを少しでも知ってもらおうと思うあまりに、伝えたいポイントを絞りきれないまま話が長くなってしまい、逆に伝えたいことが伝わらなかったんですね。そこに注意するようになってからは驚くほど順調で、次々と内定をいただけました。
就職活動については、自分でも信じられないようなミスをしてしまいました。第一志望の企業にエントリーするとき、住所と電話番号を間違えたんです。友人たちには書類や面接日の連絡がくるのに、わたしのところにはまったくこない。おかしいと思って確認したら、記入内容が間違っていた・・・。もうショックでした。
けれど諦めきれず、志望企業に直接電話をして、なんとか選考に参加できるよう必死で交渉したんです。そしてなんとか面接の連絡をもらえたのが面接日の3日前という、まさにぎりぎりでした。最終的には内定をいただけたので、あのときあきらめなくてほんとうに良かったと思います。
福井 益岡くんについては、最初わたしも心配してなかったんですよ。そのポテンシャルや情熱があれば、すぐにでも内定がもらえるだろうと。でも、あまりに結果がでないので、ちょっとおかしいなと。それで模擬面接をしてみようということになったんですよね。
益岡さん 自信があっただけに、自分の欠点に気づけなかったんですね。けれど、あの模擬面接がまさに分岐点となって3社から内定をいただけました。今度はどこを選ぼうかという贅沢な悩みになりましたけど。
福井 「就活の成功」というのは、けっして内定をもらうことだけではないんです。最終的にどんな企業でどのように活躍したいかという自分のイメージを就職先でかなえてこそ成功といえる。
益岡さん ええ。だから最終的に就職先を決定するときも、部活動で培った交渉力やコミュニケーション力を活かして人々に貢献したいという想いから製薬会社を選びました。
石田さん わたしの場合は金融関係という志望業種は決まっていたんです。けれど、就活にあたっては企業選びや面接対策だけでなく、実際に社会人になってから後悔しないためのアドバイスもいろいろとキャリアセンターの職員の方からいただきました。静岡の実家から離れて一人暮らしを続けるのなら待遇面で少しでも有利な総合職をめざすべき、とか。
叶 就職活動で一所懸命のときには、なかなかそこまで気づけないものですから。けれど、石田さんはつねに全力というか、行動力がすごいなといつも見ていて感心していました。キャリアセンターにもよく足を運んで、企業の研究や情報収集にも熱心でしたね。
福井 社会にでると、失敗しないことよりも、失敗をいかにリカバリーするかが大切になります。そういう意味で、ミスをしてピンチになったとしても、あきらめずに交渉した行動力が逆にプラスとして評価されたのだと思いますね。
就職活動を成功するためのポイントというのは、まず大学生活の4年間を充実させることです。勉強でも、サークルでも、とにかく自分にとっての目標を見つけてほしい。それに熱中するうちに、将来の自分に対するイメージが自然とできあがってきます。
それから、抱いたイメージを実現するために必要な業種や企業を考え、必要ならば資格を取得すれば良い。キャリアセンターにはそれに関連した資料が豊富にありますし、理解をより深めるためのチャンスとなるインターンシップや企業の合同説明会といった情報も数多くあります。甲南大学に入学したばかりの1年生からでも、関心のある仕事や職種があるなら気軽に足を運んでください。
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U・Iターン就職相談会
各県の職員や県・市の委託を受けた相談員から、各地域の就職環境についての話を聞くことができる、少人数型の相談会です。
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ベーシック・キャリアデザイン
自ら考え、行動する「参加型・体験型」の講義。主体的に学ぶ力をつけ、社会に出てから求められる力を身につけることを目標にしています。
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筆記試験対策講座
就活で必須となる「筆記試験・テストセンター」の対策です。甲南大学では模擬試験と集中講座を通して本番に向けた準備を行います。
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理系学生のための
キャリア支援講座理系学部の専門性を活かした進路の選び方や、企業が理系の学生に求める能力やスキルについて、毎回多彩なワークを交え、楽しく具体的に学べる講座です。