2018年11月11日、六甲アイランドにある甲南大学グラウンドにおいて、弓道部とアーチェリー部による夢の対決がおこなわれました!挑戦するのは、それぞれの部で全国大会に出場するなどの精鋭揃い。的を狙って矢を放つ凛とした姿から、息を呑む迫力を漂わせるツワモノ、8名です。日本古来の伝統文化として受け継がれてきた弓道と、オリンピック競技でもある洋弓アーチェリー。さあ、どのような対決が展開されるか、乞うご期待!
2019年に創部63年を迎える弓道部は、相手に敬意を尽くし、自己を磨くという、「礼」を重んじる教えを守り、日々活動しています。高校からの弓道経験者はもちろん、大学から弓道をはじめて全国の舞台で活躍した選手も数多く在籍しています。日本一を競う王座決定戦にも出場経験のある、伝統と実績のある強豪で、近年では女子部が3度の優勝(89年、97年、2014年)実績をあげています。だからこそ、質の高い指導が受けられ、上達が早いことも大きな特長。現在も皆が一丸となり日本一をめざして練習を重ねています。
弓道は他の競技と異なり、「的」を相手にするスポーツです。それぞれが自分の体力に応じた強さの弓を使い、確実な上達に向けた練習をおこなうことができます。照準器のない弓で、狙いを定めるのは自身の目と体感が頼りです。一本の矢に想いを込めて放つ姿の美しさは、日本の伝統武道ならではの魅力。日本文化に興味をもつ留学生も数多く見学に来ます。2010年、六甲アイランド施設内に新道場が整備され、練習環境は抜群。弓を放つ際の弦音が美しく響く広々とした射場で、練習と競技に集中できる環境が整っています。
甲南大学アーチェリー部の創部は、1958年。男女ともに関西1部リーグに所属しており、全日本学生王座決定戦にも出場した実績と歴史を誇るクラブです。アーチェリーは、弓を引き、的を狙い、弦を放し、当たった箇所の点数を競うという非常にシンプルな競技ですが、風の吹き具合によっても微妙に射力が変わるなど、繊細な一面もある奥の深いスポーツです。弓具は、その人の体格や腕力に合った強度、大きさを使用し、自分好みの弓にカスタマイズしながら、あくまで点数を競い合う、スポーツ性の高い競技。矢のスピードは装備や弓の強さにもよりますが、大体時速200~230㎞程度と、厚さ5mmの鉄板を打ち抜くほどの衝撃力ですので、安全のためのマナーを遵守することは大前提です。
年齢や性別を問わず誰でも気軽に楽しむことができますので、本クラブでも、大学からアーチェリーをはじめる部員がほとんど。とくに後輩の指導を大切にし、つなげていくというのが運営の伝統であり、上手い人だけが試合に出るのではなく、初心者もどんどん大会に出ていけることも大きな特長です。またオリンピックや世界選手権大会をもめざせる競技スポーツであることも大きな魅力です。
試合会場は、六甲アイランドキャンパス:アーチェリー部屋外練習場。
距離は実際の競技距離と同じで、直径80cmの的に、弓道部は28m、アーチェリー部は30m離れ弓を放ちます。得点は中心から4cm幅ごとに10・9点(黄色)、8・7点(赤色)、6・5点(青色)、4・3点(黒色)、2・1点(白色)と外側にいくにつれ低くなり、的から外れた場合は0点です。両チーム4名が交互に1射ずつ射ち、当たった的の点数の合計点で競います。
「今日は思い切り楽しむぞ!」と競技スタート。第1投、弓道部西田さん9点、アーチェリー部田丸さん7点。第2投、弓道部西村さん7点、アーチェリー部小島さん9点。ここでイーブンに!続いて第3投、弓道部金田さん7点、アーチェリー部長谷川さん10点。アーチェリー部優勢で第4投、弓道部下山さん9点、アーチェリー部城山さん8点。接戦の末、弓道部32点、アーチェリー部34点で、軍配はアーチェリー部に!対決後は「楽しかった!またぜひ勝負したい!」と両チームともに、爽やかな笑顔があふれていました。
「世界に通用する紳士・淑女たれ」とは、甲南学園の創立者平生釟三郎先生のお言葉です。甲南のスポーツは大学入学からはじめる学生が多く、弓道やアーチェリーは部員の半数以上が初心者で、ゼロから手ほどきをし、学生を育てています。最初は地味な基礎練習ですが、その期間に同期と友達になり、先輩とも仲良くなり、1年に2度ある合宿では、部員同士の絆はさらに深まります。そして競技をしていく過程において、自主自立の精神を養い、なによりもフェアプレイの精神を養う。この「フェア」精神こそが世界に通用する人物たりうる要件となります。甲南のスポーツ教育力は、まさに「人格の修養と健康の増進」という建学の精神と合致しています。クラブ活動を通じて一生の友を得て、楽しく充実した学生生活を送って欲しいと願っています。