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課題を見つけ、解決するチカラ
2020年10月13日(火) フロンティアサイエンス学部新着情報 ご存知のように、新型コロナウイルスの感染拡大は私たちの生活に大きな影響を与えています。以前と比べると、身の回りも急速に変化していっていることに気づかされます。感染を予防するために様々な言葉がメディアを通じて発信され、それを守ることが国民の義務のようになってきました。
例えば、「ソーシャルディスタンス」。新型コロナウイルスは飛沫感染をするため、人と人との距離を少なくとも1〜2mに保つことが感染防止に重要とされています。大学でもそれが実施されていますが、講義ではこれが問題となります。これまで利用してきた講義室の机や椅子の配置は明らかに「密」となっており、ソーシャルディスタンスを保つには50人ほど入れる教室に6割くらいの30名の学生を着席させることしかできません。6割の学生を選抜し、その学生だけを講義に参加させるわけにもいかないため、授業を実施するためには私たちもいろいろな解決策を考える必要があります。講義室を広い教室に変更する、対面式の講義とリモート式の講義を組み合わせる、教室を2つに分けて講義を2部屋に配信するなど、考えるといろいろな案は考えられますが、それぞれに一長一短があり、学生さんの教育環境を充実させるために、より良い方法がないか日々思案しているところです。
このような事態に遭遇した時、どうしたらいいのかわからないのでそのままにしていても事態は解決しません。社会では、何かの事態が起こったら、その課題を見つけ、解決するチカラが求められます。FIRSTでは、このような課題発見能力、課題解決能力の育成に、力を注いできました。このチカラを養えるカリキュラムが、1年次から始まる実践的な学生実験や研究活動です。以下は、研究活動の一般的な流れを記載しています。まさに課題を発見し、解決するスキームが示されています。
【研究活動の一般的な流れ】
① 学術的、また身の回りにある課題(研究テーマ)を見つけること(課題発見能力)
② ①を解決するために過去に実施されてきた先行事例を調べること(調査能力)
③ ②に対して、自分なりの仮説や解決策を考案すること(立案能力)
④ 仮説や解決策を検証するための具体的な証拠を得る方法を考案すること(計画能力)
⑤ ④について、実験を積み重ねながら証拠となる確かなデータを得ること(遂行能力)
⑥ ⑤を図表にし、解析し、何らかの答えを導きだすこと(解析能力、論理的思考力)
⑦ 得られた結果を社会に広く発信すること(情報発信力)
実験や研究活動は、うまくいくことは稀なことで、うまくいかない中でどうやったら求める結果が得られるのであろうかを日々考える必要があり、先ほどの社会が抱える課題を発見し、解決することと通じるところがあります。また、研究活動では、発信した情報に対する批評をもとに新しい課題が生まれるため、①〜⑦は回り続けることになります。それを繰り返していく中で、課題を見つけ、解決できるチカラが身についていくわけです。
ちなみに、このような時代がくることを予見したわけではないのですが、今年度からFIRSTでは公募制推薦入試制度が一部変更となり、課題探究力を持つ志願者がチャレンジできる入試制度を新たに導入しました。
※詳しくは入試情報のページをご覧ください。
「知識活用力評価型」は昨年まで実施してきた公募制推薦入学試験と同じもので、「課題探究力評価型」が新しく導入されたものとなります。その違いは提出する出願書類とそれらについて問われる第2次選考です。
「知識活用力評価型」の志願者は「特定課題に関するレポート」を、「課題探究力評価型」の志願者は「探究活動に関するレポート」をそれぞれ出願時に提出していただきます。(併願はできませんのでいずれか一方のみを提出いただきます。) 第2次選考ではそれぞれをもとに個人面接が実施されることになります。ちなみに第1次選考は共通で、第2次選考もどちらの制度が有利、不利というのはありませんので、得意な方でチャレンジいただければと思います。
【総合型選抜 公募制推薦入学試験 教科科目型】要項
社会が変容する今、課題を見つけ、解決するチカラがいっそう強く求められるようになっています。次世代の最先端を創る人材を育成するFIRSTに導入されたこの新しい入試制度もそのチカラをもつ学生さんに入学いただき、育て上げるためのものとなっています。ぜひ、積極的にチャレンジしていただければと思います。
(文責 甲元一也)