文学部英語英米文学科秋元ゼミでは、2022年11月17日（木）に、イスラエルの作家ウズィ・ヴァイル」（Uzi Weil）さんを秋元ゼミにお招きしてオープン・セミナーを開催いたしました。ウズィさんの初の日本語訳短編集『首相が撃たれた日に』（河出書房新社）が出版されたタイミングでの来訪です。

　この本はウズィさんの長い作家キャリアの中で出版された多くの本から選りすぐった、様々なジャンルの短編小説からなる一冊で、リアリズムからSF、シュールレアルなものの、イスラエルやユダヤ人の歴史的背景を踏まえたもの、なかにはヒトラーのアンドロイドとアンネ・フランクのアンドロイドが恋に落ちるという衝撃的な作品まであります。学生は全員この本を読んで参加し、学生からの英語での質問にウズィさんに答えてもらうという形で授業を行いました。

　それぞれの作品の成り立ちや背景、作品に対するイスラエルでの反応など、作者からでなければ聞けない貴重な話が満載で、かつ外国の作家と直接ことばをかわす機会は日本にいてはそうそうあるものではありません。指圧を学び日本通でもあるウズィさんからは日本のアニメに関する言及も飛び出し、学生たちの興味をかき立てる充実の時間となりました。
　同日夕方には一般公開の文芸イベント「ふれてみよう、イスラエルの文学の今」がiStageで開催され、ウズィさんによる講演とウズィさん（ヘブライ語）と大谷賢治郎さん（日本語）による朗読、そしてフロアからのQAセッションが行われ、こちらも大盛況となりました。当イベントの様子はYouTubeでも配信され、現在も視聴することができます（https://youtu.be/rUsRqW8sl0Y）。

　2018年には作家の温又柔さん、福永信さん、木村友祐さんをお招きしたイベント、2019年にはエトガル・ケレットさんと西加奈子さんを招いたイベントを開催しましたが、コロナ禍も明けつつある今、甲南大学では引き続き「文学、あります」イベントを再度開催していきますので、今後にもご期待ください。
（文責：英語英米文学科教授　秋元孝文）