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キャリアについて考える—文学部社会学科の取り組み—
2022年6月14日(火) 文学部新着情報 お知らせの一覧 将来、自分は何をして生きていくのだろう。
早くから決めている人もいれば、ずっと悩んでいる人もいます。
甲南大学にあるキャリアセンターでは、自分が目指す仕事に就き、充実した人生を送れるよう、全学部・全学年に対して支援を提供しています。文学部社会学科においても、1年生の時から卒業後の進路について考えるきっかけを提供しています。
■1年次の取り組み
毎年、社会学科1年生全員が前期に履修する「研究法入門演習」の授業では、卒業生をゲストに迎えています。卒業生には、学生時代の過ごし方や進路選択の方法、今の仕事や休みの日の過ごし方、家族のことなどについて語っていただき、新入生が自分の将来を具体的に想像できるようにしています。
2022年度は、外資系企業で働く卒業生に、オンラインで参加していただきました。
過去には、テレビ・ドキュメンタリーディレクターや新聞記者の卒業生にも来ていただいています。
■大学での出会いからドキュメンタリー制作に至る道―社会学科「研究法入門演習」で卒業生の話を伺う
■先輩の「甲南社学ストーリー」から学ぶ――文学部社会学科1年生配当「社会調査基礎演習Ⅰ」の紹介
■2年次以降の取り組み:関ゼミの例
2年生からは、少人数授業のゼミが始まり、そこでも卒業生や社会人を招くといった取り組みが実施されます。たとえば、関ゼミでは、ゼミ生たちからのリクエストを受けて、キャリアセンターに「出張キャリアガイダンス」を依頼しています。
2年生では、就職活動の大きな流れを学び、キャリアセンターの見学ツアーを実施します。3年生では、学年全体のキャリアガイダンスではできないキャリア支援として、少人数の体験型講座やグループ学習を行います。その一例として、2人1組で取り組む「自分を知るワーク」があります。これは、「自信家」「チャレンジャー」「さみしがり屋」「努力家」などの性格が書かれたカードを使うもので、自分の内面を知ることができます。
自分の内面を晒すことは恥ずかしさを伴いますが、「2年生から仲良くなっているゼミ生同士だったので安心できた」と振り返る人もいました。今の3年生はコロナ禍に入学したこともあり、対面で話し合いながら、お互い協力し合う貴重な経験となりました。
また昨年は、キャリアセンターが実施する「個別面談」を利用して、その時の感想を書くというゼミ課題を3年生後期に設定しました。これは、1人ではなかなかキャリアセンターへ相談に行きにくいというゼミ生たちからの要望であり、ゼミ生が自らハードルを課したものでした。
「何を聞いたら良いのかわからずキャリアセンターの前で入室をためらっていると優しく声をかけてくださって嬉しかったです。」
「自分の進路が明確でないと、相談に行きづらいのではないかと思っていたけれど、私に寄り添ってたくさん話を聞いてくださったので、もっと早く相談に行くべきだったなと思いました。」
「自己分析を一緒にしてくれて、自分の強みを改めて分析できたので、良かったです。褒めながら話を聞いて頂けたので、自己肯定感も上がりました。」
などの感想がありました。
■共に考える
社会学科の学生さんたちの進路は、民間企業への就職だけではありません。公務員や教員、大学院への進学、なかには起業などを目指す人もいます。
4年生になると、将来について考えると同時に、卒業研究にも真剣に向き合う必要がでてきます。それらと真剣に向き合うからこそ、不安な気持ちになることもあります。そうした時、社会学科、そして文学部では、悩みや迷いを1人で抱えるのではなく、教職員や仲間の学生と共に考え、乗り越えていける体制を整えています。
(文学部社会学科 講師 関めぐみ)