おしゃれな街・神戸の私立大学として100年の伝統を持つ甲南大学で、充実の学生生活を送りませんか。

  • 新着情報 NEWS

    新着情報

    地域連携活動を通じたキャリア形成 ~とっとりキャリア教育学生プロジェクト~

    2022年12月23日(金) 地域連携新着情報 お知らせの一覧

    (画像:2022年8月31日 岡村こず恵撮影)


     大学4年生の時に新型コロナウイルスの感染が広がり、予定していた留学ができなくなった。「青春18きっぷ」を利用して旅に出て、地域の人々と交流するうちに地域おこしに興味をもち、現在は「地域おこし協力隊」として、縁もゆかりもない鳥取県でまちのPR活動に取り組む20歳代女性。

     学生の頃、都会にあこがれて東京に出て働き、一度は地元である鳥取県に戻るが、務めていた会社が倒産。社会で信頼を失う厳しさを経験し、再び東京で商社に勤め、子どもが独立した50歳を期に一念発起して、地元で地ビール工房を起業した男性——。

     いま、このように自分の出身のまちを離れた人が、再び地元で働くUターン型や、縁のあった地方都市で働くIターン型の就職や移住について、注目が高まっています。そこで、甲南大学 社会連携機構 地域連携センターおよびキャリアセンターでは、鳥取県との就職支援協定に基づき、大学生が自身のキャリア形成を考えるための「とっとりキャリア教育学生プロジェクト」を2022年度にスタートさせました。「キャリア」とは、職業上の地位や職歴といった仕事だけでなく、人々の生活や生涯を見渡した人生の役割を意味します。この活動は、鳥取県をフィールドに、そのまちで暮らす魅力や課題を明らかにし、同年代である大学生に届けるための企画を検討する問題解決型(PBL)学習です。

     はじめに、自然豊かなまちで、自分らしい暮らし方や働き方を実行している人々にインタビュー調査を実施し、その魅力や課題を整理しました。調査先の調整には、公益財団法人ふるさと鳥取県定住機構のお力添えをいただきました。本稿の冒頭のエピソードは、この調査で伺ったものです。地方銀行員として融資先の事業者に出向し、経営支援を通じて地域づくりに取り組んでいる男性をインタビューした参加学生の中川輝人さん(経済学部1年次生)は、「こんな働き方や仕事があるなんて、全く知らなかった。一気に世界が広がった」と、その時の驚きを語っています。


    (画像:2022年9月1日 岡村こず恵撮影)


     さらに、甲南大学1年次生を対象にアンケート調査を実施し、彼らがキャリア形成に対してどのような認識をもっているのかを明らかにしました。ここでは、キャリア形成について上回生からのサポートに強い期待があること、また、自由参加だけでなく、全員参加型の基礎的な支援プログラムへのニーズが高いことなど、今後のキャリア支援活動の参考にできる調査結果を得ることができました。

     2022年12月12日に開催した成果報告会では、鳥取県関西本部の本部長の高務(たかつかさ)氏より、「キャリアというと、どうしても『就職』をイメージする傾向があります。しかし、鳥取県への移住者のみなさんは、長い人生をより豊かに楽しく暮らすために、仕事に限らず、様々な活動に取り組んでおられます。その魅力に触れて、鳥取県に新しいイメージをもってくれた5人の甲南大学生の存在は大きな財産です」との講評を受けました。また、全学共通教育センター特任准教授の武田佳久氏には、自宅および一人暮らしの学生による比較など、示唆に富む分析視点についての指摘をいただきました。学生は、教員だけでなく実務家や地域の様々な人々とのやり取りを通じて、実に多くを学んでいます。

    甲南大学 全学教育推進機構 全学共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵


    (画像:キャリアセンター提供 2022年12月12日撮影)


    <プロジェクト参加メンバー>
    甲南大学 文学部 人間科学科 3年次生 畑中 麻希
    知能情報学部 3年次生 福本 航士
    経済学部 1年次生 岡村 俊佑
    経済学部 1年次生 中川 輝人
    経営学部 1年次生 勝村 菜那
    甲南大学 全学教育推進機構 全学共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵