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世界に誇る阿波おどり文化にもっと若者を ~関西湾岸SDGsチャレンジ~
2022年11月17日(木) 地域連携新着情報 お知らせの一覧 みなさんは「SDGs(エスディージーズ;持続可能な開発目標)」をご存知でしょうか。国連が2015年に定めた、2030年までに持続可能でよりよい世界をめざす17の国際目標を意味します。甲南大学では、「関西湾岸SDGsチャレンジ」と題して、神戸市、堺市、和歌山市、徳島市、岡山市の5つの自治体と朝日新聞社と連携しながら、SDGsの達成をめざして地域の社会課題の解決のアイデアを提案するプロジェクト型学習に取り組んでいます。
徳島エリアでは、甲南大学の大学生4名と徳島市立高校4名がチームを組んで、課題解決の検討に挑戦しました。徳島市の「地域の伝統的なお祭りをいかに持続可能なものとするか」という課題に対して、次の3つの原因の仮説をたてました。「①.祭りの運営にかかわる人が限定的なのではないか」、「②.ボランティアの受け入れ体制が弱いのではないか」、「③.ボランティア活動の魅力が十分に伝わっていないのではないか」。
この仮説を検証するために、阿波おどりの踊り手のグループである「連」(れん)や、阿波おどりの観客席である桟敷(さじき)を運営する商店街、そして阿波おどりの運営ボランティアの受け入れ実績のあるNPOを対象に、2022年8月にフィールドワーク(現地調査)を実施しました。祭り直前の訪問にもかかわらず、地元の関係者のみなさんに快くご協力いただき、インタビュー調査によって、運営の面白さや大変さ、地元のみならず、他の地域の阿波おどりファンもボランティア等で巻き込みながら、努力を重ねてこられた現状が明らかになりました。
阿波おどりにすっかり魅せられたメンバーは、実際に阿波おどりの運営ボランティアに参加して、ボランティアの受け入れ体制についての特徴や改善点を実感しました。その問題意識をもとに、阿波おどりの観光資源化や運営体制の変遷を調べたり、徳島市立高校2年生の皆さんを対象に、阿波おどりへのかかわりをたずねるアンケート調査を実施しました。アンケート調査では、半数を超える高校生が、「祭りを支えるボランティア活動に興味がある」と回答したにもかかわらず、興味があると回答した人の8割以上が「ボランティア活動の参加方法を知らない」との回答を得ました。
これらの分析結果から、徳島の若者のボランティア育成への可能性と、持続可能な運営体制づくりへの提案をまとめました。11月3日に開催された成果発表会「チャレンジアカデミー」にて企画を発表し、優秀賞を受賞しました。夜遅くまで何度も議論をして、徹底的に準備をし、大勢の人前で堂々とプレゼンテーションしている高校生や大学生の姿は、本当にたくましいものです。教室を飛び出して地域で実際に提案した経験は、社会人として歩む自信につながると信じています。
甲南大学 全学教育推進機構 全学共通教育センター 特任准教授 岡村 こず恵