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    えん罪救済ボランティアの活動について(2)

    2021年12月21日(火) お知らせ新着情報 お知らせの一覧

     KONANプレミア・プロジェクト「えん罪救済ボランティア」では、12月のはじめに京都弁護士会の鴨志田祐美先生に甲南大学にお越し頂き、講演いただきました。
     鴨志田先生は、いわゆる「大崎事件」の再審弁護団事務局長であるとともに、日本弁護士会の人権擁護委員会・再審部会で再審法改正に取り組んでおられます。
     大崎事件は1979年に発生した事件で、現在は裁判のやり直し(再審)を裁判所に求めています。法学部2回生の3名が、当日の感想を書いてくれました。
    鴨志田先生のご著書『大崎事件と私』(LABO、2021年)も是非お読み下さい!

    (法学部 教授 笹倉香奈)

    ●法学部2年次・Hさんの感想丸●
     冤罪事件弁護をされている鴨志田先生のお話を伺い、日本の司法制度が抱える問題点の実情を知ることができました。
     公判には出ておらず捜査機関に眠っている、被告人に有利かもしれない証拠や資料の開示を命じるのは裁判官の裁量に依存し、担当する裁判官の熱意によって証拠開示が行われるかに差が出てくるという「再審格差」の問題や、本当に有罪を立証するだけなら再審公判で行えば良いはずなのに、再審開始決定に対して検察官が即時抗告・特別抗告を行い冤罪被害の救済の可能性を奪う「再審妨害」など、法改正によって解消すべき課題が多く存在していることは衝撃的でした。
     検察や警察は被告人の有罪を立証するために税金を用い、財源も潤沢であるのに対し、弁護側の資金力は被告人や弁護人に依存しているだけではなく、再審請求段階では国選弁護制度すら無いのです。これまで再審で無罪が確定した事件の数を踏まえても、再審の困難さが印象に残りました。
     これらの問題を解消するための法改正をするには、冤罪の問題がもっと社会に認知され、社会問題として広く提起される必要があると思います。
    そのためにも、そして不当な刑罰が科せられている無実の人を救うためにも、一学生として、えん罪救済ボランティアの活動を重ねていきたいと感じました。また、将来自分が弁護士になることができたなら、先生たちのように、理不尽な目に遭っている人を助けることを第一にできるような弁護士になりたいと思います。
     貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。大崎事件の再審請求が認められるよう、心から祈っています。

    ●法学部2年次・Kさんの感想●
     大崎事件では、客観的証拠がほぼない中で殺人と断定されて捜査が進められ、話が進んでいったという点に強い疑問を持ちました。他の裁判についても伺いましたが、冤罪事件ではなぜそもそも有罪と判断されたのか、よく考えればおかしいと気づくものも多いと思いました。
     大崎事件では、第3次再審請求の最高裁決定が出るまでに長期間がかかり、「検察の闇」との表現がありました。「再審格差」問題と併せて、裁判とは一体何なのかを考えさせられました。
     完全な事実を明らかにすることは難しいことだと思います。だからこそ、さまざまな証拠から事実を積み重ね、それに基づいて判断されるのだと思います。その判断のもとになる証拠を隠していることがあるのは、果たして正しい判断なのでしょうか。

    ●法学部2年次・Nさんの感想●
     「再審格差」という言葉が印象的でした。再審を行うときに平等でないことが問題ではないかと思います。このような状況を「仕方ない」と思うのではなく、格差を無くすために自分が何をできるのかを考え、どのような冤罪事件があって裁判所の判断がどのようになされたのかを知ることから始めようと思いました。
     検察官の抗告がドイツでは禁止されているということを聞いて、とても驚きました。再審に関して世間がもっとよく知り、話題になっていけば改正に近づけるのではないかとも思いました。
     最高裁の国民審査は、次は10年後ですが、最高裁の裁判官がどのような判断をしてきたのかを知り、裁判官に適しているのかを判断できたらと思います。