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    ランチョンセミナー(ランチを食べながら話を聞く)にて、「ロボットでいたいの、いたいの、飛んでいけ~ は実現できるのか」をテーマにご講演いただきました(神原誠之先生)

    2024年7月03日(水) 知能情報学部新着情報 お知らせの一覧

     大学院自然科学研究科では、甲南大学プレミア・プロジェクトの一つとして、「専攻・研究科を越えた研究の融合と研究力の発展プロジェクト」を進めています。本取組では、大学院の研究科の枠を越えた研究の融合ができる仕組みを作って、先進的な研究に取り組めるように目指しています。
     取組の一つとして、「最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」をコンセプトに、ランチョンセミナーを開催しています。

     今回のセミナーでは、知能情報学専攻 神原 誠之 教授より「ロボットでいたいの、いたいの、飛んでいけ~ は実現できるのか」をテーマにご講演いただきました。
     
     皆さんが、子供の時に「いたいの、いたいの、飛んでいけ~!」という“おまじない”をかけられた経験があると思います。これは、本当に痛みの軽減につながるのでしょうか?また、これが人ではなく、ロボットが動作をしても同じ効果が得られるのでしょうか?そんな疑問について、神原先生にご講演いただきました。
     1965年に学説で発表された「ゲートコントロール理論」という考えに基づいたもので、人が介抱や介護(話しながら体をさすられる/なでられる)された際に、痛みを他の接触の刺激(なでられたりして)により抑制されることが分かっています。
     神原先生は、これを人だけではなく、「ロボット」が「話しながらなでる」動作をした場合にも、人の痛みの感覚がどのように変化するのか検証した実例を紹介いただきました。
    …講演の中でも、「話す速さ-なでる速さ」には相関性(早く話すとなでる速度も速くなる)があり、痛みを伴う実験をした際に、「何もしない(動作なし)―なでるだけ―話しながらなでる」というそれぞれの動作の違いで有意な差(話をする/話をしない、話しながらなでるほうが、快感情に影響がある)があることを解説いただきました。
     この研究は、医学(痛みのコントロール)や法学(ロボットが人に接触することによる法整備)など、社会実装(※研究によって得られた知識や技術を製品・サービスとして、実社会で活用すること)に向けて、様々な理工学以外での分野との融合を検討しているとのお話がありました。
     近い将来、ロボットが泣いている子供を介抱してくれる日が来るかもしれませんね。


    理工学部・知能情報学部事務室(自然科学研究科)