JR大阪駅からすぐの場所にあるグランフロント大阪北館The lab.では、「大学都市KOBE!発信プロジェクト」と銘打って、神戸市内の大学がそれぞれの大学の魅力を発信する展示が行われています。

2023年9月19日から11月7日までの間は甲南大学が展示を行っています。その中のひとつに知能情報学部北村研究室の発話訓練システムがあります。このシステムは、パソコンのカメラで話し手の顔を分析し、発話中に口角が上がっているかを自動的に判定します。

アナウンスの訓練では、口角を上げて話す練習法が用いられており、これは明るく聞き取りやすい声を作るのに効果があるといわれています。私たちの調査では、アナウンスの訓練経験のある人は、一般の人よりも口角を上げて話していることがわかっています。The Lab.にて展示している発話訓練システムは、この練習法を参考にして開発されました。口角が上がっているかどうかの判定には最新の画像処理AIが利用され、インターネット経由でどこからでも使用することができます。

私たちはこのシステムの効果を評価する実験を行いました。その結果、このシステムを2週間使って口角を上げて話す練習をした人たちの声は、練習前の声と比較して専門家による評価が向上することがわかっています。この結果は、先日の日本音声学会全国大会にて発表され、大いに注目されました。

甲南大学の展示期間中、The Lab.ではこの発話訓練システムを実際に体験することができ、1分間の発話練習のうち何％の時間に口角が上がっていたかが自動的に判定されます。あなたは口角を上げて話しているでしょうか？ ぜひJR大阪駅に近い南館から一歩足を伸ばして、隣の北館にあるThe Lab.にて甲南大学の展示をお楽しみください。

（知能情報学部教授 北村達也）