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神戸市東灘図書館での図書館ロボット実証実験
2022年12月19日(月) 知能情報学部新着情報 お知らせの一覧昨今ではIT化が進み便利になる中で、高齢者などコンピュータを苦手とする方がその恩恵を受けられていないことが問題となっています。そのようなコンピュータが苦手な方でも情報機器のサービスを利用できるようにすることを目的として、図書館ロボットの開発と東灘図書館での実証実験を行いました。
甲南大学プレミアプロジェクトでは、大学図書館のヘルプデスク業務を支援する図書館ロボットを開発しています。このロボットは音声コミュニケーションによって蔵書を検索したり、お勧めの本を紹介したりする機能を持っています。利用者はロボットとの会話によって、キーボードなどを操作することなく、必要な情報をロボットから得ることができます。ロボットが利用者に対応することによって新型コロナウイルス感染症が感染する可能性を減らすことができます。ロボットは甲南大学図書館のヘルプデスクで今年の春から毎日業務に励んでいます。
今回東灘図書館で使用した図書館ロボットは、現在大学図書館で運用されているロボットを東灘図書館で利用できるように改良したものです。大学で運用されているものと同様にロボットとの会話によって神戸市図書館の蔵書を検索することができます。ロボットは、利用者が検索したいキーワードを正確に覚えていなくても、適切な検索キーワードに訂正してから蔵書を検索する機能も持っています。
神戸市東灘図書館にご協力いただき、11/30と12/1の2日間、図書館にロボットを設置して様々な利用者にロボットをご体験いただきました。ご体験いただいた中で、ロボットは音声の聞き取りや検索がうまくできない場面など様々な課題が見つかりました。一方で、特に小さなお子様には「自分で本を調べられた!」と大変喜んでいただけました。
今回の実証実験で明らかになった課題や利用者からいただいたご意見を基に、より多くの人が利用しやすいロボットを目指して改良を続けていきたいと思います。
この研究は、甲南大学同窓会チャレンジ基金の支援を受けました。また、調査の実施にあたり神戸市立東灘図書館、神戸市立図書館、甲南大学地域連携センター (KOREC)にご協力いただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。
(知能情報学部 4年 榎本佐知子)