知能情報学部ではITをベースに人間力と感性・知性で未来を切り拓く人材の育成をめざし、特徴ある教育を実施しています。2年生向けの授業科目「プロジェクト演習」では，実社会で通じる具体的な問題をいくつか取り上げ、問題解決を追究します。問題分析から、解決策の発見、成果の発表までの一連のプロセスを通して、問題発掘および問題解決の実践を学びます。

　このプロジェクト演習の課題の一つとして、「フィジカルコンピューティングを用いたロボット技術(RT)システムの構築」が行われました。わたしたちがいる実世界とコンピュータをつなぐ「フィジカルコンピューティング」の枠組みを用いて、身近な情報をセンシングし、情報を処理し出力するロボット技術（RT）を生かしたシステムを作り上げる総合的な課題です。

　受講生は自身の学生生活での体験や興味関心をもとに企画案を作り、担当教員やティーチングアシスタント、さらに他の受講生とも相談しながら、数週間にわたってそれぞれの企画を「かたち」にしていきます。演習の期間内には、アイデア出しとプログラミングなどシステムの開発、そして、評価のための実験や最後の発表の準備など、教室の枠を離れて様々な活動を行いました。

　演習の最終回では、開発したシステムの発表会を行いました。発表会では、開発したシステムの実演を含めたプレゼンテーションを行い、参加者全員で議論します。また、発表会直後にお互いの開発システムを見せ合ったりして活発に議論しました。今までに学んだことを総合すること、プログラムだけではなく実世界を対象とすることの難しさ、開発したシステムに対してソフトウェア面でさらに工夫ができそうなど、これからの学びへの意欲など様々な感想、意見が受講生から出されました。

（知能情報学部　准教授　梅谷智弘）