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    科学とあそぼ!2015「バーチャルリアリティを体験しよう」

    2015年9月11日(金) 知能情報学部新着情報
    知能情報学部では研究室ごとにテーマがあります。私たちの研究室では、バーチャルリアリティ技術の研究を進めていますが、夏のイベントである“科学とあそぼ”のために、毎年バーチャルリアリティ技術を使った作品を展示しています。今年は、“太陽系を歩く”と“大量の虫が体を這い上がってくる”という2つの作品を展示しました。
     
    2回に分けて展示した作品について説明したいと思います。まずは、“大量の虫が体を這い上がってくる”コンテンツについてです。そもそも、何故このような作品を展示しようと思ったかについてですが、春に今年の展示作品について話しているときに、ある学生から、虫になる体験をする作品を作りたいという意見が出ました。しかし、実現には大きな壁がありました。それは、誰も虫になったことがないということです。虫になったことがないので、虫になったときに、どのような感覚を与えてあげればいいのか、想像もつかないという問題が出てきました。(当たり前ですが。)
     
    そこで、色々とアイディアを考えた結果、大量の虫が襲ってくるものを作ろうということになりました。以下の図が体験している様子です。体験者はヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD 以下の画像)という機器をつけます。この機器をつけることで、体験者は大量の虫が自分に向かって飛んでくる体験ができます。見ている画像は実写とCGとを融合させてものなので、臨場感は抜群です。また、体験者は振動する装置を腕・足・体の3カ所に取り付けられており、虫が体にくっつくと振動する仕組みになっています。体験した子供達は懸命に虫を払い落とそうとしたため、振動させる機械が3度ほど壊れてしまい、慌てて半田付けを行ったくらいでした。
     
    〔体験している様子〕
     
    今回展示した作品は確かに遊びですが、研究にも使える様々な要素が含まれています。人の位置・手の位置を取り、実空間の人の位置とコンピュータグラフィックスの虫との位置あわせを正確に行う。また、虫の位置に対応して適切に振動させる、さらには、手と虫との衝突を判定して虫の挙動を決めるなど、様々な要素が含まれています。これらの技術・方法は形を変え、卒業研究に生かされるものと思います。
    (文責・知能情報学部 教授 田村祐一)