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    『甲南の教員が解説するNobel Prize 2022 物理学賞』を開催しました

    2022年12月12日(月) 理工学部新着情報 お知らせの一覧

     甲南大学理工学部では、理工学部所属の教員がノーベル賞受賞テーマを解説する『甲南の教員が解説するNobel Prize 』を開催しています。「ランチをしながら最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」をコンセプトに「SaLaCoランチョンセミナー」として開催していましたが、新型コロナウィルス感染症による状況等を鑑み、「対面/オンライン」を併用し、12月6日(火曜)に『甲南の教員が解説するNobel Prize 2022 ノーベル物理学賞』を開催しました。
    12月6日に行われたノーベル物理学賞のセミナーでは、理工学部物理学科の髙吉慎太郎 准教授より、受賞内容である「量子もつれ」という現象が存在することの実験的実証について解説いただきました。
     ちなみに、髙吉准教授によるノーベル物理学賞の解説は、昨年度の物理学賞のテーマであった、複雑な現象を理解する方法を示した真鍋淑郎博士ほか2人の受賞研究の内容に関する解説に続き、2年連続となりました。
     髙吉先生からは、「量子論の発展」について基礎から技術応用をテーマに、ノーベル賞の内容を分かりやすく解説いただきました。その中で、受賞テーマのキーワードとなる「量子もつれ(複数の量子の間で起こる現象で、ある量子を観測した際に、他の量子の状態にも影響を与える状態)」についての説明がありました。高吉先生からは、この現象を「量子もつれ」と呼ぶのはあまり好きではなく!?、「量子の腕組み」と表現したほうが良いというお話がありましたが、自分が「腕組み」をして考え込んでしまいそうです。つまりは、どちらか一方さえもわからなければ何も確定しないが、一方さえわかればもう一方を確定することができるという状態ということになるでしょうか。
    「神はサイコロを振らない」という有名な言葉を残したアインシュタイン博士が「不思議だ」と意見を述べた「量子もつれ現象」について、今年のノーベル物理学賞である3人の博士(クラウザー博士、アスペ博士、ツァイリンガー博士)による実験及び理論研究によって解明されたことを、量子論という基礎物理学の観点から解説していただきました。
    さらに、受賞テーマのキーワードの一つでもある「量子テレポーテーション(量子もつれを利用し、ある粒子の状態を、離れた場所にある別の粒子に瞬間的に移動する)」、量子暗号(情報漏洩を防ぐことができる技術)や量子コンピューターなどの技術に、量子論の基礎原理を応用できる可能性も期待されています。
    物質(人)のテレポーテーション?、も決して夢物語ではないのかもしれませんね。

     2022年度のノーベル賞解説セミナーはこれで終了となります。来年度は、どんな研究テーマが選ばれるのか楽しみですね!理工学部では、今後も『甲南の教員が解説するNobel Prize 』を開催してまいります。




    以上
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