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“香り”で人の行動を操る! ~CUBE卒業研究プロジェクトの紹介~
2023年1月27日(金) マネジメント創造学部新着情報 お知らせの一覧こんにちは、マネジメント創造学部4回生の中林敦と申します。私の体験が何か皆さんの役に立てば幸いです。
●卒業研究プロジェクトの概要
4年間学んできた知識と経験をフルに活用して、自分が知りたい事を1年かけて研究する集大成となるプロジェクトです。CUBEで学んだ内容で興味のある分野を深掘りしている人もいれば、自分の趣味を研究テーマに応用している人、就職先で必要になる知識をテーマにしている人など、1人1人の個性が輝く場でもあります。
●研究テーマの選定理由
私が“香り”をテーマに選んだ理由は、大学1年生の頃シンガポールに短期留学した際に立ち寄った香水屋さんで、人生初の香水を買ったことがきっかけでした。店内は薄暗くて、こじんまりとした所だったのですが、間接照明に照らされた香水瓶がキラキラ輝いていて、すごく綺麗でした。インド系の金髪ショートヘアのお姉さんが目の前で調香(香りを混ぜる)してくださり、その所作が美しさは今でも鮮明に覚えています。そこからどんどん“香り”にハマっていき、研究テーマにするほどになりました。大好きな香りの知識も、この1年で沢山身につきました。
●詳細な研究内容
実際の論文タイトルは「気分を操る。香りが生み出す価値とは?」です。簡単に概要を説明すると、オレンジとラベンダーのアロマオイルを使った、「香り×マーケティング」について研究しました。オレンジの香りには、食欲増進効果や気分を明るくしてくれる効果があります。反対にラベンダーは睡眠時や入浴剤に使われるように、副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果があります。この香りの“効果”に着目した実験を考えました。香りに関する著者の方がワークショップをされておられ、参加して研究の相談をしたところ、ありがたいことに実験のアドバイスもしていただきました。オレンジもラベンダーもプロの方と一緒に調香したので、かなり本格的な香りになっています。
実験内容に話を戻すと、カフェの写真(海辺のカフェで設定上の季節は夏です)を見てもらいながら、オレンジ系の香りを嗅ぐグループと、ラベンダー系の香りを嗅ぐグループに分けて、それぞれカフェのメニューから好きなものを選んでもらいました。食欲増進効果のあるオレンジ系のグループの方がメニュー金額と注文点数共に高くなると予想しました。
・結果(16人 男子8人:女子8人)
☆オレンジ系→平均1328円・注文点数が平均1.9点。半数以上の人が柑橘系のドリンクを選択。
★ラベンダー系→平均1070円・注文点数が平均1.4点。半数以上の人がラテ・紅茶系を選択。
予想通りオレンジ系の方が金額にして258円、注文点数は0.5点高い結果になりました。1つ意外だったのは、香りによって人気メニューが変わるという事です。オレンジ系の香りを嗅いで柑橘系のドリンクを頼む人が多かったり、ラベンダーの香りを嗅いで、リラックスできるラテ・紅茶が人気だったりと、人の気分や行動は香りに左右されるという事がわかりました。
~最後に~
1年かけての研究なので、4回生になるまでに何か自分が熱量を持って取り組める好きな事を見つけられると、より一層有意義な研究になるはずです!
研究を完成させるために今自分は何をしないといけないか、どんな情報がいつまでに必要かなどの現状把握能力や、それを行動に移す実行力など、自分を大きく成長させてくれる1年になると思います。難しいこともあると思いますが、同じ卒業研究プロジェクトのメンバーと相談し合い、担当の先生からアドバイスをいただきながら進めていくことができるので、心配せず思う存分自分の研究を楽しんでください!