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経済の変化を、株価データをもとに考えてみよう
2016年8月18日(木) 経営学部新着情報
こんにちは。金融論を担当している大塚です。高校生のみなさんも、新聞やテレビで株価や景気に関するニュースをしばしば見聞きしていることと思います。でも、私たちの生活にどのように関係しているのか、報道で何を伝えようとしているのかについてはよくわからないというのが本音だと思います。
はじめに、株価のデータを見て、経済の動きについて考えてみましょう。
グラフを見てください。横軸は年、縦軸には株式市場全体の株価の指標が示されています。ここで用いられている指標は、日経225といわれるもので、225銘柄の代表的株式の平均株価です。グラフからわかるように、株価は激しく変動しています。1989年ころには、株価はとても高く、突如として下落し、2001~2年あたりで底値となっています。なぜこのような値動きになったのでしょうか。
1980年代の後半には、いわゆるバブル景気となりました。しかし、1989年に株価が暴落し、1990年代に入るといわゆる「失われた20年」という低成長時代に突入します。1990年代には消費税の増税があり、金融機関の破たんなどもあって、2000年ごろは深刻な不況となってしまいました。小泉政権は、構造改革によりこの不況を克服しようとして、部門を縮小し、民営化と金融緩和によって、経済の立て直しを目指しました。これとは関係なく、景気は持ち直すのですが、株価は低下を続けました。このあたりは、高校で教えてくれます。でも、なぜだろう?
残念ながら、このデータと高校で得た知識だけでは、株価の変動や景気の変動を理解することはできません。大学で学ぶのは、「よくわからない」を「よく考える」に変化させる知恵なのです。甲南でお待ちしています。一緒に学びましょう。(文責:経営学部教授 大塚晴之)