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兵庫県立社高等学校で模擬裁判を行いました
2019年2月15日(金) 法学部新着情報
KONAN プレミア・プロジェクト「高大接続共育」の活動の一環として、2018年12月13日、学生5名と教員は兵庫県立社高等学校を訪れ、高校2年生93名と2班に分かれて、模擬裁判を行いました。第1班は、18歳の少年が犯した危険運転致死事件、第2班は、高齢者がエスカレータで車いすを転落させ、衝突した被害者が死亡した事件のシナリオを用いて、裁判官・裁判員、検察官、弁護人、被告人、証人の役割を高校生と大学生が演じ、それぞれ「大人として裁くべきか、子供として裁くべきか」、「高齢者の事件の社会的背景には何があるのか」について、参加者全員で考えました。
模擬裁判を共に学んだ生徒さんからは、次のような感想が寄せられました。
「少年の生育環境や精神的な幼さを考えると、私は刑罰ではなく保護処分することに納得できました。確かに、罪は大きいのですが、少年が大人になった時に社会復帰できた方がいいと思ったからです」。
「少年を保護処分にするか、刑事処分するかの判断はとても難しいと思いました。被害者の家族からしたら保護処分は納得のいかない結果だと思うし、その一方で、処分によっては少年の人生が変わってしまうかもしれないからです。その判断をすることはとても責任があることなので、いろんな論点から事件をみることが大切だと思いました」。
(以上は第1班の模擬裁判に参加した生徒さんの感想文から引用しました)
(第1班の模擬裁判風景)
「有罪にするか、無罪にするかとても悩みましたが、最終的には有罪の判断にしました。その理由は被害を未然に防げたのではないかと思ったからです。でも、高齢化が進んでいる世の中なので、高齢者が過ごしやすい環境をつくることも大事だと思いました」。
「難しい言葉が多くて少し困惑しましたが、判決を私たちが決めるときには、、真剣に考えることができました。私は弁護人の意見を支持しましたが、検察官支持する人の意見も聞いて、2つの方向から考えることができました」。
(以上は、第2班の模擬裁判に参加した生徒さんの感想文から引用しました)
(第2班の模擬裁判風景)
母校の社高校との調整を行い、模擬裁判を実現させた法学部4回生の田栗江里奈さんは、つぎのようにのべています。「真摯に模擬裁判に参加し、判決を考える後輩の姿に感激しました。今回の模擬裁判が、身近な社会問題に関心を持ったり、大学や法学部という進路を考える機会となれば嬉しいです。私たち大学生にとっても、高校生と学ぶことによって、新たな学びや活動の場を広げるきっかけになったように思います。ありがとうございました」。
(法学部教授 前田忠弘)
(法学部教授 前田忠弘)