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歴史文化学科 飛騨高山で「フード・バリアフリー」を学ぶ
2025年2月14日(金) 文学部新着情報 お知らせの一覧2024年12月8日、9日
日本を訪れる外国人観光客の中には、宗教的な理由などから食の規制を持つ人々がいます。イスラーム教のハラールやユダヤ教のコーシャが有名ですが、それ以外にも菜食主義の人もいます。人気の観光地では、そうした食の規制に対応したサービスをいち早く提供しているところがあります。中町ゼミではそうした「フード・バリアフリー」の取組の先進地域として知られる岐阜県高山市を訪れ、どんな取組が行われているかを学んできました。
関西から名古屋まで新幹線で移動し、そこから高速バスで北へ。飛騨路にさしかかる頃にはすっかり雪景色になっていました。世界遺産に登録されている白川郷の合掌造りの民家も、すっかり白く雪化粧。そんな景色を見に来た観光客の間では様々な言語が飛び交っていて、外国人に人気の観光地であることが実感できます。
飛騨高山フードバリアフリー協議会の伊藤通康さんにアポを取り、色々とお話を伺いました。この協議会は、当初は東南アジアなどイスラーム諸国からの観光客に対応したムスリム・フレンドリーの活動をしていたところ、現在ではさらに裾野を広げてコーシャやヴィーガンにも対応するようになったとのこと。地元の飲食店からすればハラールなどの規制に厳密に対応していくのは負担が大きいわけですが、店ごとにできることとできないことを明確にして観光客に示すことで柔軟な対応が可能になる、との考えだそうです。
その後は古い町並みを巡りながら、フードバリアフリー対応のおそば屋さんで昼食を取るなどしました。世界的に有名な観光地を独自の視点から捉え直すことができ、異文化の交流に関心のあるゼミ生たちにとって有意義な調査旅行となりました。
(文学部歴史文化学科 教授 中町信孝)