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    学部学生が学会発表を体験 ―文学部人間科学科 福井ゼミ活動報告―

    2025年1月22日(水) 文学部新着情報 お知らせの一覧

    ■関西心理学会第135回大会
     福井ゼミでは,希望者が学会での発表にチャレンジします。本来は研究者のトレーニングを始めた修士課程の大学院生にならないと,学会発表はできないのですが,いくつかの学会では,例外的に学部生にも門戸を開いています。

     2024年度は,大阪人間科学大学で開催された関西心理学会第135回大会において,3組4名の4回生が,口頭発表にチャレンジしました。

    ■発表の概要
    ①発表者:西村美音さん,三木綾華さん
    演題:『自尊感情の低下による補償的消費の対象は性別により異なる?―性的魅力についての誤情報を用いて―』

    内容:女性にバストサイズに関する誤情報を与えて自尊感情(自尊心)を低下させた際に,外見的美しさや経済的ステイタスを示す高級品(ブランドバッグ,アクセサリー,エステ体験チケット,高級スポーツカー)に対する購買意欲が変動するかを検討しました。このように,傷ついたこころを埋め合わせるために買い物することを,補償的消費と呼びます。女性は,男性とは違って外見的魅力を高める高級品を欲しがることなどが報告されました。



    ②発表者:須藤美歩さん
    演題:『外見に対する満足度が気分や状態自尊感情に及ぼす影響―外見を変動的要素と固定的要素に分けた場合の外見スキーマの調整効果―』

    内容:女性の外見的魅力を変動的要素(化粧,髪型,服装)と固定的要素(顔,体型)に分けて,それらが気分や自尊感情(自尊心)に及ぼす影響を検討しました。変動的要素と固定的要素には異なる効果があり,外見スキーマ(外見で自己肯定感が左右される程度)によってその影響力が変わることが報告されました。



    ③発表者:江見かほりさん
    演題:『Yahoo!知恵袋への相談内容から見た心理専門職に対するイメージ―自己組織化マップを用いた追加的検討―』

    内容:Yahoo!知恵袋に寄せられた質問の中から,心理専門職に対するものを抽出して,テキストマイニングという手法で,使われている言葉の関係性を可視化しました。心理専門職に就いた場合の収入を心配する質問から,稼げない仕事であると受け取られている可能性についても報告されました。



    ■学会発表にチャレンジする意義
     学会発表をするためには,まずは研究の計画を立てて,次にデータを収集し,分析して結果を確定する必要があります。申込の際には,A4用紙1枚程度の発表抄録という報告書の提出が求められます。A4用紙1枚程度でも,初めてのことなので,何度も指導教員のチェックを受けて,やっと合格をもらえます。発表の申込が受理されたら,今度は当日の発表スライドを準備します。抄録原稿とは違って,一目で分かるように視覚化することが求められます。
     どの段階の作業も,卒業研究につながることはもちろんのこと,読者や参加者の視点で客観的に自分の発表をわかりやすく伝えるという体験になるので,将来どの進路を選んだとしても糧になります。
     福井ゼミでは,今後も意欲の高い学部生に,学会発表の機会を提供します。