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「推し活」を様々なアプローチから探究する! —文学部社会学科阿部ゼミ活動報告—
2024年9月02日(月) 文学部新着情報 お知らせの一覧■テーマは推し活!
甲南大学社会学科では、個性あふれる先生たちの担当する魅力的なゼミが開講されていますが、阿部ゼミでは「推し活」をテーマの一つに設定してゼミ活動をしています。名古屋短期大学の小出祥子先生のゼミ(2022・2023年度生)がまとめた『オタク用語辞典 大限界』(2023年、三省堂)によると、「推し活」とは、「推しを応援し、楽しむために行う活動」(10頁)とあります。阿部ゼミでは、そんな「推し活」に対して様々な視点からアプローチし、研究を進めています。その中のいくつかを紹介しましょう。
■推し活とモノ
ひとつめのアプローチは「モノ」です。「推し」のグッズを購入して「推し活」に励んだことのある人もいるでしょう。かく言う私も、毎年、夏になるとユニフォームを身につけ、「推しタオル」を持ってスタジアムでチームの応援に励んでいます。なぜ、人はそのようなモノを持って、推し活をするのでしょうか?
阿部ゼミでは、その理由について、ゼミ生たちが実際に「推し活」に使うモノを持ってきて、それをもとに考えました。いくつかの理由が挙げられ、「推し活」とモノの密接な関係を明らかにしました。議論の中では「集合的沸騰」(人々が集まることで非日常の興奮状態が生み出されること)という、社会学でしばしば用いられる概念も出てきました。
■推し活と労働(とその他色々)
ふたつめのアプローチは「労働」です。こうした視点は、私の専門が労働社会学であることとも関係しています。「推す側」ではなく「推される側」の立場に立って、「推し」の行為を感情労働として捉え直すことで、見えてくることがあります。ゼミでは、他にも「推し活の地域間格差」、「推し活と居場所」、「推し活と恋愛」など、私の研究テーマと絡めた調査、研究を進める学生もいます。学生たちのフレッシュな視点にはいつも驚かされています。
■プレゼンの合間にはバーベキューでリフレッシュ!
「推し活」についての調査、研究は、ゼミ生同士の情報共有やディスカッションがとても大切です。昨年度は丸1日かけて、白川台キャンパスで卒論の検討会を行いました。プレゼンの合間にはバーベキューでリフレッシュ。自然豊かなこのキャンパスは、甲南大学の「推しポイント」の一つです!
(文学部社会学科 教授 阿部真大)