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    男性の育児休業取得の実際と企業の取り組み:社会学科発展研究B(ライフスタイルと政策I) ゲストトーク 「男性社員1ヶ月以上の育児休業完全取得」を達成した積水ハウス

    2024年2月28日(水) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     家族と仕事をテーマにした社会学科の専門科目である発展研究B(ライフスタイルと政策I)の授業のゲストとして、男性社員の育児休業推進の先駆的な取り組みを進める積水ハウスから、中心的な役割を担うダイバーシティ推進部の木原淳子さんと松岡優さん、実際にこの取り組みの中で1ヶ月の育休を取得された藤本知也さん(本学卒業生)と小玉拓也さんにお越しいただきました。

     まず、木原さんと松岡さんからは取り組みを進める立場から、男性育休100%取得への取り組みの背景、その後の制度設計や変化、達成のための職場の意識改革のプロセスや工夫についての説明がありました。



     続いて、藤本さんと小玉さんからは、受講生たちから事前に集めた質問への回答も交えて、実際に1ヶ月の育休を取得された男性社員の立場から、実際に最初に取得する前の不安とそれを乗り越えることで得られた職場と家庭での変化についてお話しがありました。



     就職活動を目前に控えた受講生たちからは、これらのお話しを受けてグループディスカッションをした後で、グループ毎の代表から、取得を望まない当事者への対応、上司の意識の切り替え、育休終了後の家事・育児の様子、参考になった会社の資料などについてさらに活発に質問をしていました。




     これらの質問に対しても、育児休業に限らず、誰もが休みを取得できる組織にすることの意味を考えてもらうことで管理職の意識も変化したという取り組み上の成果や、具体的な家事分担の様子や、会社独自の「家族ミーティングシート」や「男性育休ガイドブック」の有効性、お客さんからの好意的な反応など、取得から得たものについての回答をいただき、充実したディスカッションとなりました。


     積水ハウスの男性育休プロジェクトの詳細はこちらで確認できます。
     https://www.sekisuihouse.co.jp/ikukyu/




    【授業後の受講生の感想の抜粋】
    就活をしていて、育休制度の充実を掲げている会社はたくさんありますが、取得率が高くても取りづらい雰囲気などがあるのではないかと思っていたので、今回のお話を聞いて、会社全体で育休の取得をサポートしていることに衝撃を受けました。

    私は女性であるため、就職活動をする上で、企業選びには女性の育休制度が整っているかどうかを見て判断していますが、男性育休制度も整っていた方が安心して結婚でき出産できると感じました。

    今まで男性の育休についてあまり考えたことがなかったが、実際に育休を経験されたお2人の話を聞くことで男性育休の重要性を感じることができた。特に夫が仕事、妻が家事育児と役割が分担されている状況ではすれ違いが多く起きるところを2人で共同で家事育児を行うことでこのすれ違いをなくしていくことにつながっていると感じた。夫が家事育児についての理解を深めていきながら妻の苦労を理解していくことで、発言にも大きな違いが出てくることがわかった。

    (文学部社会学科教授 中里英樹)