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    〈甲南映画祭〉を開催しました!

    2023年12月22日(金) 文学部新着情報 お知らせの一覧

    11月30日から12月8日まで、甲南大学文学部で企画した〈甲南映画祭〉が開催されました。今回のテーマは〈万博〉。2025年の関西・大阪万博を前に、主に1970年の大阪万博に関する映画を集め、岡本キャンパスで連続上映しました。


    「人類の退歩と混乱」
    (文学部日本語日本文学科3年生・南谷真有さんの作品)


     開幕企画では『1日240時間』という映画を上映しました。53年前に大阪万博で公開され、今でも観ることのできる貴重な展示映像です。当時は4面マルチスクリーンに投影されたものを、今回はデジタル合成して上映しました。10倍の速度で行動できるようになる不思議な薬が発明されて、みんな1日を240時間使えるようになったものの、自由を謳歌できるどころか、社会は大混乱に陥ってしまい、それでも人々は薬を欲しがって止まない、というお話。作家の安部公房が脚本を書きました。「スピードと効率を追求することが、果たして人類の幸福につながるのか?」という問いかけは、現在にも通じるものです。
     ほかにも、『火垂るの墓』の原作者として有名な野坂昭如の『とむらい師たち』や、岡本太郎が設計した『太陽の塔』の謎に迫るドキュメンタリーなど、様々な観点から万博を考えるきっかけとなる作品を上映し、解説や講演を加えました。私たちは半世紀前の人々が思い描いた〈未来社会〉を生きているわけですが、その中には良い面も悪い面も含まれています。〈光と影〉の両面を見据えることで、現在につながる日本の戦後社会を立体的に考えることができたと思います。
     運営を支えたのは、学生ボランティアたち。受付や会場設営を担っただけでなく、映画祭のイメージデザインの創作や、ポップコーン販売など様々なアイデアを出してくれました。会場には甲南大学生に加え、附属校生や教職員、学外の映画ファンたちも足を運んで下さり、来場者数はのべ800名近くになりました。アンケートでは「往年の名画を解説つきで観ることができ理解が深まった」「甲南映画祭があったからこそ出会えた映画ばかりでとても良い体験が得られた」といった声が寄せられました。



    来年も学生のみなさんと力を合わせて、〈甲南映画祭〉を作っていきたいと思います。

    (文学部准教授 友田義行)