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    自然に囲まれて学ぶアグロエコロジー 丹波市でのフィールド・トリップから

    2023年12月04日(月) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     食の安全への関心や環境意識の高まりから、農業に興味を持つ若者が増えています。人間科学科の西ゼミでは、今年度のテーマとして農業を選び、調べていくうちにたくさんの問題が見えてきました。世界の潮流は大規模農業から家族単位の小規模農業へ、そして農薬の使用をひかえた農業へと向かっていますが、日本はかなり遅れている様子なのです。
     ゼミでは、10月に有志によるボランティア活動を通じて有機野菜のマーケットを体験したのち、11月17日から18日にかけて、丹波市へのフィールドトリップを実施しました。1日目は、丹波市市役所農業振興課に協力いただき、丹波での有機農業の歴史や、市をあげての取り組みについてお話をうかがったのち、有機農業センターを見学しました。
     2日目はいよいよ農業体験。ベテラン生産者である橋本慎司さんの農園で、野菜畑や鶏舎の様子を見学した後、玉ねぎの植え付けに挑戦しました。橋本さんはこれまで国際機関でアグロエコロジー(生態系のバランスを崩さない農業)の推進活動にも携わってこられ、橋本農園には世界中から有機農業を体験しようとボランティアが訪れています。この日もベルギー、デンマーク、アメリカから来ている若者たちと一緒に作業に取り組みました。




     途中、冷たい雨に降られて農業の厳しさを思い知らされる一幕もありましたが、やがて好天に恵まれ、お昼からは近所の素敵なカフェ「ひなたぼっこ」で、橋本農園の無農薬野菜を使った美味しいお料理をお腹いっぱい食べながら橋本さんのお話を聞き、ディスカッションをする有意義な時間を過ごしました。



    「農薬を使わずに野菜を育てるなんて絶対に無理」と言われながら、度重なる自然災害にも負けず、着々と有機農業の基盤を築いてこられた橋本さんのお話は、これからの社会を生きる上で本当に必要なことは何なのか、考えていくためのヒントをたくさん与えてくれました。    
     
    (文学部人間科学科教授 西欣也)