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    国語教師をめざす4年生  デジタル教科書を用いた句会

    2023年1月14日(土) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     甲南大学は、教師になりたい学生たちを応援しています。中学校・高等学校の教員免許を取得するために必要な授業がそろっており、国語や数学など教科別の専門知識を身につける授業も充実しています。
     「教職実践演習」は、教職課程の最終段階に位置付けられる授業です。今年度、国語教師を志すクラスには、日本語日本文学科の学生11名が集いました。11月下旬の授業では、デジタル教科書を用いた俳句の教材研究に取り組みました。デジタル教科書を初めて手にする学生が多かったのですが、従来の書籍版にはない機能を自分たちで発見し、お互いに教え合う姿も見られました。
     俳句は、五・七・五の17音で、季語を用いるのが定型です。デジタル教科書には、季語の説明のかたわらにQRコードが付いており、これをスマホで読み取ることで、インターネット上の季語一覧を閲覧することができます。季語さえ分かれば誰でも手軽に作れるのが、俳句の魅力ですね。授業ではこんな課題に取り組みました。「4年間通った甲南大学キャンパスで思い出の場所を写真に撮り、その写真に俳句を添えて、スライドにまとめてみよう」。
     次の週の授業では、学生がスライドを使って発表を行い、優秀作を投票で決める、ちょっとした句会を開催しました。意外だったのは、多くの学生が、大学図書館で『歳時記』を調べて、季語を選んできたことです。実は、インターネット上の情報よりも、書籍から得られる情報の方が多かったり正確だったりすることもある。卒業研究に取り組んでいる4年生たちは、そのことをよく知っているようです。
     投票で選ばれた作品と、作者Mさんによる解説を紹介します。



     4年間で最も頻繁に通った場所である、図書館の写真を撮影しました。樹木の葉が枯れている情景が主題で、「枯れる」が冬の季語です。「萬葉」という言葉を選んだのは、私の卒業論文が『萬葉集』についての研究だからです。「萬葉集の歌に出てくる植物」がテーマに含まれているため、「花ひらく」という言葉は、『萬葉集』の知識を得たこととも繋がっています。図書館前の樹葉は枯れてしまっているけれど、自分の知識は豊かになっているということを詠みました。(日本語日本文学科4年生・Mさん)

     Mさんは春から教壇に立ちます。今度は子どもたちの心身に、学びの花を咲かせる番ですね。

    (文学部准教授・友田義行)