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    八代健志監督『劇場版ごん』上映&トークイベント

    2022年11月15日(火) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     11月1日に甲南大学岡本キャンパスで、映画『劇場版ごん』の上映が行われ、会場は感動に包まれました。上映後には、この作品を監督された八代健志さんと、製作スタッフの加倉井芳美さんが登壇され、文学部准教授の友田義行が対談形式でお話をうかがいました。
     『劇場版ごん』の原作は、国語教科書でもおなじみの新美南吉「ごんぎつね」です。映画に登場する動物や人物は、木彫の人形たち。静止している人形を一コマごとに少しずつ動かしてカメラで撮影し、それらを連続映写することで、まるで人形がひとりでに動いているような映像に仕上がっています。ストップモーション・アニメーションと呼ばれるこの技法によって、「ごんぎつね」に新しい生命が吹き込まれました。対談では八代監督が8ヶ月かけて人形を手彫りし、さらに1年かけて撮影を行ったことが語られ、作品にかける情熱と職人技に圧倒されました。


    八代健志監督(右)と加倉井芳美さん(左)
    映画で使われた木彫人形も披露されました


     映画ではごんが一人ぼっちになった経緯や、兵十と両親との関係、そしてごんと兵十との彼岸花を介した交流など、原作になかった視点が加えられ、物語に新たな深みが生まれています。八代監督は原作だけでなく、数々の絵本も参照されており、文章表現と挿絵の共鳴についても論じられました。参加した学生たちからも多くの質問が寄せられ、作品の細部に注目した鋭い議論が交わされました。


    学生からの質問に答える八代健志監督


     会場となった教室前には、映画で使われた木彫人形や絵コンテの特別展示も設けられ、制作資料を間近で見る貴重な機会に。甲南大学図書館でも、新美南吉と「ごんぎつね」の関連本が特集されるなど、文学と映画をつなぐ様々な企画が展開されました。
     甲南大学文学部では、映画監督や作家をお招きするイベントを積極的に開催しています。作り手の生の声に触れることで、より多面的に文学や映画の魅力に迫ることができるはずです。
     ちなみに、今回のイベントは日本語日本文学科で企画しましたが、映画や美術、歴史文化や民俗学の研究にも関わる内容でした。文学部5学科の学びを「たす」、「ぶんたす」というプロジェクトの一環です。甲南大学文学部では、研究領域を融合した学びを大切にしています。

    (文学部准教授・友田義行)