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    平和に向き合う広島の学生たちと一緒に考える :人間科学科ゼミ・フィールドトリップ

    2022年1月17日(月) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     文学部人間科学科のゼミ活動で広島市を訪れ、平和公園・原爆資料館周辺でこれからの平和を考えるフィールドトリップを実施しました。今回協力してくださったのはNPO法人Peace Culture Village。この団体は、アメリカ人スティーブン・リーパー氏によって創設され、若い世代が中心となって新しい平和教育のあり方を模索しています。オンラインを駆使して広島から世界中の人々に平和の重要さを発信したり、VRアプリで語り部の経験を聞いたりと、最新の技術も積極的にとり入れています。また、過去に起きたことを学ぶだけでなく、その学びをこれからの「平和文化」の構築にどのように活かしていくのか、自ら考えることを大切にしています。

     今回のフィールドトリップでは、このPeace Culture Villageの大学生スタッフたちが、普段おこなっているツアーとワークショップを大学ゼミ用にアレンジして実施してくださいました。少人数のグループを作って話しやすい関係を作り、意見を交換しながらお互いの考えを深めていきます。若者同士の会話を通じて、楽しく、また率直に考えを述べ合ううちに、同じ学生でありながらしっかりした意思を持って真剣に平和構築に向き合う姿勢からも大きな刺激を受けました。



     ゼミ生の多くは、過去に修学旅行などで広島を訪れていました。小学生として原爆資料館を訪れたときの主な印象は「怖さ」でしたが、大学生になって、広い視野で世界を理解できるようになり、あらためて広島で平和について考えることで、自分自身の行動や価値観を見つめ直すきっかけにもなりました。慈仙寺の墓石、韓国人原爆犠牲者慰霊碑、「レストハウス」など、これまで知らなかった場所で被爆者に思いを馳せることができたこともあり、ゼミ生は「今回の平和学習は今までに私が経験してきた平和学習とは全く違うものだった」という感想をまとめています。



     新型コロナウィルス感染が落ち着いた12月中旬の慌ただしい日帰りツアーでしたが、実際に現地に足を運んで考察することの大切さや、新しい友人を作ることの素晴らしさをあらためて実感できる、非常に充実したフィールドトリップになりました。

    (文学部 教授 西 欣也)