11月27日（土）に、大阪府主催の「大学との共同研究に係るシンポジウム（研究成果発表会）」が開催されました。この共同研究では、インターネット上の人権侵害の解消に向け、差別的な書き込みに対処するには、どのような啓発が効果的かについて考えてきました。

　今年4月からはじまり、関西の６つの大学（甲南大学、大阪教育大学、関西大学、近畿大学、奈良学園大学、龍谷大学）が独自に研究を進めてきました。甲南大学では、社会学科4年生と3年生の５人がミーティングを重ね、「インターネット上の人権侵害問題」だけなく「性的マイノリティの人権問題」も含めた人権啓発動画をつくることに決めました。

　7月には、大阪府主催の講演会「突然、僕は殺人犯にされた」で、誹謗中傷を受けた経験のある講師スマイリーキクチ氏へ質疑応答を行い、啓発動画をつくる上での貴重なご意見をいただきました。

　その後、新型コロナウイルス感染拡大状況を考慮しながら、脚本、配役、撮影場所、小道具などを検討し、夏休みの間に集中して撮影を終えました。

＜岡本キャンパスと白川台キャンパスでの撮影＞

　本学の社会学科では、映像制作を通じて社会問題に触れたり、メディアを通じて学生の考えの発信を行ったりしています。これらの授業で培ってきた知識はもちろん、それに加え、メンバー1人1人が持つそれぞれのスキルを注ぎ込んで動画制作を行いました。

　その結果、先日行われた研究成果発表会では、動画のショートバージョン（２分間）を公開することができました。大阪府人権局の三ツ石局長からは、大阪府にとって重要な２つの人権課題を組み合わせた点についてお褒めいただきました。

　今後は、動画のフルバージョン（約10分間）を完成させ、さらに、中学生や高校生向けの授業で使っていただけるように、教材を作成していく予定です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（文学部社会学科　講師　関めぐみ）