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    「判決を言い渡します」――模擬裁判その2

    2018年12月22日(土) 法学部新着情報
     12月16日14時に、模擬裁判が開廷。
     
     
     年末の日曜日午後という忙しい時期にもかかわらず、60名を超えるたくさんの方が見に来て下さいました。毎年来て下さっているファンもいらっしゃいます。この前、学生が講義をした灘中学校の生徒さんも来て下さいました。
     
     笹倉ゼミのOB/OGたちも駆けつけてくれました。模擬裁判にいたるまでの後輩たちの苦労を一番分かっているのは、先輩の彼らです。
     
     今年の事件は、殺人被告事件。被告人は、23歳の男性です。職場の先輩の彼女が、勤務先の店長にセクハラを受けました。被告人は怒る先輩に連れられて、先輩の彼女の勤務先に向かいます。そこで店長に殴りかかられた被告人。店長を殴り、足で頭を踏みつけると、店長は亡くなってしまいました……被告人に殺意はあったと本当にいえるのでしょうか。また、被告人の言い分通り、正当防衛が成立するのでしょうか。検察官は「合理的な疑い」を超えて被告人が有罪であると立証できるのでしょうか。
     
     事件の現場を見ていた被告人の先輩とその彼女、そして鑑定を行った法医学者などが証言台に立ちます。
      被告人は、いっかんして無罪を訴えます。
     
     裁判官と一緒に事件の審理に立ち会い、評議をするのは6人の裁判員の皆さんです。当日来て下さったお客様の中から、立候補で裁判員役を選びました。ですから、どういう判決になるのかは、最後まで誰にも分かりません。
     
     どのような評議が行われ、判決にいたるのかを見ていただくために、裁判官が司会をする評議の様子も公開で行いました。殺意があったといえるのか、正当防衛が成立するのかなどを、順番に証拠に基づいて判断していきます。
     
    《評議の様子》
     
     「被告人には殺意があったとは言い切れない。正当防衛が成立しないともいえない」との意見が優勢で、結果として被告人には無罪判決が言い渡されます。
     
     裁判官は、あらかじめ10パターンの判決を準備していました。
    無罪判決を朗々と読み上げます。
     
    《ゼミを率いた岡脇聡美さん》
     
     おわりにゼミ長の岡脇聡美さんの挨拶。刑事裁判の原則や、模擬裁判をとおして皆さんに何を伝えたかったか、お話しました。
     模擬裁判を来て下さった観客の皆様、本当にありがとうございました。 
     
      《ご来場下さった皆様も含めて、記念撮影》 《21人で力を合わせました!》

    〈法学部教授・笹倉香奈〉
     
    *模擬裁判のあとは、ゼミOBOG会。
    こうやってずっと一生つながっていける仲間を作っていけたら、良いですね。