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    「非行少年の矯正と保護」~現場から学ぶ刑事政策講義~

    2019年12月20日(金) 法学部新着情報

     刑事政策の授業において、第1種少年院・加古川学園の服部達也院長と神戸保護観察所の竹内康香保護観察官による特別講義が行われました。
     2019年11月26日、29日、服部院長から「少年犯罪・非行の現状とその社会背景及び少年院における処遇」というテーマで、成人と少年の処遇の違いや現代非行の原因、社会復帰のための少年院での取組みなどについて、わかりやすくお話しいただきました。
     少年が罪を犯した場合、刑事手続きとは異なり、“少年法”に基づき、「処罰」ではなく「保護」されます。少年院は刑罰を執行する刑事施設(刑務所)ではなく、健全育成を目的した処遇が行われる矯正施設です。また、服部氏は現代非行の要因として、貧困をベースとした社会的な環境を強調されました。貧困は多くの社会問題に共通する、とても深刻な問題です。講義を受けて、就労支援、福祉的支援、教育支援、すなわち少年に社会的「居場所」と社会的「出番」を確保することの重要性に気づくことができました。


    12月3日、竹内保護観察官の講義の様子


     12月3日、神戸保護観察所の竹内康香保護観察官から保護観察官の仕事について丁寧にお話しいただきました。保護観察官は刑事施設や少年院から仮釈放、仮退院して保護観察に付されている人の立ち直りを支援するのが主な仕事です。ボランティアである地域の保護司さんと協働して更生支援に取組んでいます。年間約8万人が保護観察に付されていますが、保護観察官は約1000人、保護観察官と保護司だけでは、保護観察対象者の更生を最後まで支援することは容易ではなく、いっそうの多機関連携や官民協働の構築が重要となっています。
     講義は、保護観察対象者のニーズに気づき、更生支援への関心を深め、今後の学びにつながる貴重な機会となりました。
    (法学部3年 髙木沙織)