大学に入ってからのことを考えてみるのは、入試を目前にしたこの時期、進路を決めるのに大切なことではないでしょうか。

 

　大学で身につけた専門知識が皆さんのこれからの人生を実り多いものにすることは間違いありません。でも、社会人としての基礎的な素養や能力を身に付けていないと社会生活を有意義に営むことはできません。考える力、行動する力、共働する力などは、皆さんが豊かで健全な社会生活を送るために必要な「力」です。大学で得た知識の実践的･応用的な利用法を学び、経験することを通じて「知識」を「知恵」に高めていくことが何よりも重要です。

 

　甲南大学では、こうした視点に立って、皆さんの将来を見据えた「社会人力」育成のためのプログラム、「キャリア創生共通科目」を用意しました。学部での専門科目と同時並行で学ぶことにより、皆さんの経験知を高め、将来のキャリア形成にきっと役立てることができるはずです。

 

　

 

　「キャリア創生共通科目」には、下の表に示されているように、社会で必要とされる多様な実践的応用能力、例えば、法律・会計･財務・マネジメントに関する実務知識や、ITリテラシー、英語で学ぶビジネスなど、5つの科目群に分かれた、多種多様な科目が設けられています。

 

 

　これらの科目を専門科目と並行して学ぶことにより、皆さんは社会で活躍するための有用なツールを手に入れることができます。また、これらの科目をうまく組み合わせて受講することにより、将来の資格取得に役立てることもできるようになっています。

 

　例えば「ビジネス」科目群に含まれる「会計科目」は、「数字を通して世の中を見る」ことを学びます。商品を売る側と買う側から、またサービスを求める側と提供する側から、儲けとお金について学ぶのです。それは、日商簿記検定、ビジネス会計検定、税理士、公認会計士などの資格取得に結びつきます。

 

　キャリア創生共通科目は､皆さんが社会で活躍するフィールドを広げる、すなわちキャリアの広がりを創り出していくことを目的としています。キャリア創生共通科目は､皆さんの無限の可能性を切り開くお手伝いを致します。

さらに今後、学生の要望をくみ取りながら、多彩な科目を設けていく予定です。

（文責・学長補佐　伊豫田隆俊）

 

＊キャリア創生共通科目を含む共通教育の全体像は、NEWSLETTER No1「融合力を伸ばし、キャリアの創生へ―甲南大学の新機軸（１）―」を御覧ください。