大学院自然科学研究科では、甲南大学プレミア・プロジェクトの一つとして、「専攻・研究科を越えた研究の融合と研究力の発展プロジェクト」を進めています。本取組では、大学院の研究科の枠を越えた研究の融合ができる仕組みを作って、先進的な研究に取り組めるように目指しています。
　取組の一つとして、「最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」をコンセプトに、ランチョンセミナーを開催しています。

　今回のセミナーでは、2024年4月に着任された木原　眞紀（きはら まき） 先生（甲南大学 知能情報学部 講師）に「照合可能暗号と認証アルゴリズムについて」をテーマに、講演いただきました。

　講演では、私たちの大切な個人情報を守る情報セキュリティの根幹技術として、暗号に関する基本的な数理をいくつかの簡単な例と合わせて解説していただきました。
　さらに、暗号化された2つのデータを元のデータに戻すことなく、安全かつ便利に処理することができる「秘密計算技術」について説明いただき、そのうちの1つとして木原先生の研究テーマである「照合可能暗号」をもとにしたオンラインチェックインシステムについて紹介いただきました。例えば、ホテルなどの施設の予約時にデジタル化できる個人情報（クレジットカードや交通系ICカードなど）を暗号化したまま登録することで、ルームキーとして使用できるシステムです。この技術により，デジタル化できる個人情報の安全かつ利便性の高い運用が可能となります。
　社会のデジタル化が加速する中、こういった暗号化技術が世の中に大きく貢献することが期待されますね！

理工学部・知能情報学部事務室（自然科学研究科）