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    第30回研究科融合ランチョンセミナー「細胞の力を使った再生医療やサイエンスの最前線」(1/13)を開催しました

    2026年1月15日(木) 理工学部新着情報 お知らせの一覧大学院

    甲南大学大学院自然科学研究科では、「専攻・研究科を越えた研究の融合と研究力の発展プロジェクト」を、プレミア・プロジェクトの一環として進めています。この取り組みでは、研究科の枠を越えて研究者同士がつながり、より新しく先進的な研究に挑戦できる環境づくりを目指しています。

    その一つとして、「最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」ことをコンセプトに、ランチョンセミナーを開催しています。

    今回のセミナーでは、株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)の畠中内子さんをお招きし、「細胞の力を使った再生医療やサイエンスの最前線」というテーマでご講演いただきました。

    畠中さんは、甲南大学理学部生物学科(現在の理工学部生物学科)のご出身で、大学・大学院では「酵母」に関する研究を行っておられました。現在は、企業名のとおり「ティッシュエンジニアリング(※生きた細胞を使って、本来の機能をできるだけ保持した組織を人工的に作る技術)」の分野で、研究用ヒト培養組織の営業に携わっておられます。

    ご講演では、J-TECで既に5品目(自家培養表皮、自家培養軟骨、自家培養角膜など)が製品化されていること、そしてこれらの製品が実際に患者さんの治療に使われていることをご紹介いただきました。しかし、技術を製品化するまでには治験などを経て、10年以上かかることもあり、非常に困難な道のりであることもお話しくださいました。

    また、患者さんから組織を採取し、自家培養表皮を患者様へ移植するまでに3週間から1か月かかること、そしてその過程には熟練した技術が必要であることから、研究開発だけでなく、医療の現場における医師や患者さんとの丁寧なコミュニケーションも重要であると強調されていました。

    さらに、近年注目されている動物実験の倫理的配慮「3Rs(代替・削減・改善)」の観点から、化粧品の安全性評価に使われるヒトの皮膚細胞を用いた3次元培養表皮モデルの取り組みについてもご紹介いただきました。
    最後に、畠中さんからは、大学・大学院時代、ポストドクターから企業での営業担当へと変わったご自身の経験をふまえ、卒業研究に取り組む学生へのメッセージとして、分野や組織にとらわれず、文献を多く読み、人とのコミュニケーションを大切にすること、そして「物事を俯瞰(ふかん)的に見る視点を持つこと」の重要性を語ってくださいました。

    畠中さんの仕事は、たくさんの人の命と未来を支えています。細胞の可能性を信じて、強く向き合う姿勢は、どんな分野にも通じる大切なことです。
    みなさんも、自分の興味や関心を大切に育てていけば、きっと未来は大きく開きますよ。



    (理工学部・知能情報学部事務室)