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    第26回研究科融合ランチョンセミナー「もっと青いバラを目指して」を開催しました

    2025年1月27日(月) 理工学部新着情報 お知らせの一覧

    大学院自然科学研究科では、甲南大学プレミア・プロジェクトの一つとして、「専攻・研究科を越えた研究の融合と研究力の発展プロジェクト」を進めています。本取組では、大学院の研究科の枠を越えた研究の融合ができる仕組みを作って、より新しく先進的な研究に取り組めるように目指しています。
     そして自然科学研究科のみならず、フロンティアサイエンス研究科の方々にも参加いただき、理系による研究科の垣根を超えた融合の取り組みが進んでいます。
     取組の一つとして、「最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」をコンセプトに、ランチョンセミナーを開催しております。

    今回のセミナーでは、サントリーホールディングス株式会社の興津奈央子様に「もっと青いバラをめざして」をテーマに講演いただきました。

    青いバラの作出は、交配による品種改良では困難と考えられてきました。そのようななか、サントリーは1990年から「青いバラ開発プロジェクト」に取り組み、他の植物からバラに遺伝子を導入することによって、2004年に世界初の「青いバラ」を作り出すことに成功しました。この度は、現在進行中の、誰が見ても青いと言えるような『もっと青い』バラを目指した取り組みの一つについて、お話しいただきました。

    まず、青色の花を咲かせるネモフィラに注目し、青色をうみだす物質「メタロアントシアニン」の形成に必要不可欠であるフラボン配糖体の配糖化酵素遺伝子が突き止められました。そして、この遺伝子をタバコ培養細胞へ導入したところ、実際に植物細胞内で目的のフラボン配糖体が生合成されることが確認されました。そうして、実際にバラへ遺伝子を導入し、バラ青色化へ向けた検証と改良が進められたそうです。

    大学等の研究で多く用いられるモデル植物と異なり、樹木であるバラは遺伝子を導入してから花が咲いて結果が出るまでに1年以上を要します。そのようなバラを相手に効率的に研究を進めていくために、サントリーではあらゆる可能性を想定して、いくつもの戦略を同時並行で進められているそうです。私たちが目にする青いバラには、そうして積み上げられた多くの実験が隠されていることがわかりました。

    とてもロマンのあるお話ですね!大切な人に真の青いバラを渡せる日が来ると思うと、待ち遠しいですね。


    (理工学部・知能情報学部事務室)