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    東京地方検察庁に行きました!

    2018年9月05日(水) 法学部新着情報
     連載「えん罪救済ボランティア・東京研修」第2弾です。法学部3回生の中倉大悟さんの記事です。                          [法学部教授・笹倉香奈]
     
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     東京研修2日目のお昼からは東京地方検察庁に行ってきました。東京地方検察庁(略して「東京地検」)は、日々、様々な事件と向き合っています。警察から送られてきた刑事事件について被疑者を起訴するか、不起訴にするかを決めています。また判決の執行が正当になされるよう指揮・監督をしています
     
     今回、司法修習生向けに作成された「検察官の仕事」のビデオをみせていただき、現役の検事さんにお話を聞くことができました。ビデオは、検事の方が実演して作成されており、各所に非常に細かい解説があったため、わかりやすくとても勉強になりました。     
    事件相談・弁解録取・取調べに関する部分を見せていただき、ビデオでは警察の方に検察の方が事件の内容をとても細かく確認したり、疑問点はすぐに確認したりしている場面があり、そのような検察・警察の連携が少しでも早い事件の解決につながるのだとわかりました。
    また、取調べでは被疑者に親身になって丁寧に話を聞いている姿を見て、冤罪を防ぐためにも思いやりの心が非常に大事なポイントではないのかなと思いました。
     
     東京地検の検事さんのお話の中では、検察庁ではどのように検事と検察事務官がうごいているのかを教えていただきました。日常にも出てしまう職業病や、検事を務めてる際のやりがいなどについても話してくださいました。
    また、検事になることを目指したきっかけとして、ご自身の家族が犯罪の被害者となられたことで「犯人はどのような心理で犯罪を起こすのか」という疑問を解決したいという思いから司法に関わる職に就くことを決められましたとうかがいました。その中で検察官を選ばれたのは、司法修習生の頃に行なった検察修習が、自身の性格に最も合っていると感じたためだと教えていただきました。
     私は刑事事件を自身に関係のないものとどこか考えていた気がします。しかし、いつなんどき私自身、周囲の人が犯罪に巻き込まれてしまうかわからないのだと感じ、犯罪心理についても学んでみたいと思いました。

     
     最後に実際に使う取調べの部屋を再現したところにも入らせていただき、取調べの部屋では検察官調書作成の流れを説明していただきました。検察官検事、検察官事務官として席に座らせていただき、非常に貴重な経験をさせていただきました。
     
     2014年に放送されていた、木村拓哉主演の検事を題材としたドラマ「HERO」で使われていた東京地方検察庁のふろしきも置いてありました!

     
      日本の刑事裁判は起訴されると99.9%が有罪判決を受けるという現状がありますが、今回お話を聞かせていただき、検察官が一人一人の被疑者と真剣に向き合い起訴するのかを判断されていることを改めて教えていただきました。
    また、お話を聞いた検事さんは、常時20~30ほどの事件を抱えられているとおっしゃられており、効率よく起訴・不起訴の判断をする力も検事として必要とされる力だとわかりました。
    多くの事件を抱えながら適切な判断を求められるため、非常に多忙であることを教えていただき、私は一人一人の検事さんの抱える事件の数を減らし負担を軽減することが、一つの事件に検事さんが納得いくまで事件に向き合う上で大切になるのではないかと思いました。
       
     そして、警察・検察・裁判所が与えられた権限のもとで被害者・被疑者双方のために最大限に機能を活かすことが冤罪を生まないために重要なことなのかなと思いました。