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えん罪救済ボランティア研修 名古屋拘置所に行きました!
2019年10月08日(火) 法学部新着情報 えん罪救済学生ボランティアの活動のいっかんとして、2019年9月9日から10日に名古屋に研修に行きました。1泊2日で拘置所、検察庁、愛知県警などを色々周り、刑事司法の現場について理解を深めました。
名古屋拘置所の訪問記を、3回生の泉健太さんと松本光さんがレポートしてくれました。
法学部教授・笹倉香奈
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私たちは、えん罪救済センター学生ボランティア企画として愛知県にある名古屋拘置所を参観しました。
所長に名古屋拘置所の施設の概況について説明をしていただき、そのあと実際に施設を周って見学を行い、最後に質疑応答の時間がありました。
施設の説明を受ける中で驚いたことは、拘置所の外観に関する説明です。
第一に、名古屋拘置所は外側に塀がないというところです。収容者が逃走するのを防ぐ為に大きな塀があるのが当然であると思っていましたが、名古屋拘置所には外側の塀がないということを初めて知って驚きました。
続いて驚いた点が、建物自体が高層ビルのような作りであり、平屋ではないというところです。かつては名古屋拘置所も平屋であったそうです。今では収容者の増加に伴い、同じ敷地内で部屋の数を増やすために高層ビルのような形に建て直されたようです。
外側に塀がなかったり、建物が高層ビルのような作りになったりしているのは名古屋の中心地にあり、街の景観を守る為でもあるということも今回の参観で初めて知ることができました。
所長のお話の中で名古屋拘置所では、14〜15国籍の約50人が常時収容されているということが印象に残りました。想像以上に国籍が多く驚きました。さらに、それにより、拘置所の中にもある程度の言語を話せる職員が必要になってくるのではないかと思いました。
見学を行う中では、施設の警備状況にも驚きました。施設内には、静脈認証のドアがあったり、エレベーター内でも職員と収容者を分ける仕切りがあったりと警備が徹底されていると感じました。
質疑応答の時間では、施設見学で疑問に思ったことに対して詳しく職員の方が説明して下さいました。名古屋拘置所独自の工夫も聞くことができました。たとえば、収容者の部屋の中に赤い線を引くという事です。その赤い線は、収容者が布団を引く目印となり、赤い線に合わせて布団(枕側)を敷くことで、職員は収容者の顔を窓から確認できるようになります。
今回の名古屋研修で拘置所に初めて行きました。食事においては管理栄養士の作成した献立で、必要な栄養量と熱量を給与していたり、すでに裁判の確定した被収容者には就労支援や生活指導を行なっていたりすること、拘置所内でも各宗教の儀式や教誨などを受けることができるということも知ることができました。
《法学部3回生 泉健太・松本光》