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甲南映画祭 ’25 学生スタッフによる作品紹介・教員インタビュー(4)
2025年11月10日(月) 文学部新着情報 お知らせの一覧学生スタッフによる甲南映画祭の見どころ紹介の4回目です。今回は、12月6日(土)に上映する安達もじり監督の『心の傷を癒すということ』(2021年)について、文学部日本語日本文学科の吉本陽南さんが、森茂起名誉教授にインタビューをしました。
Ⓒ映画「心の傷を癒すということ」製作委員会
Q.なぜこの映画の上映が決まったのですか?
A.1つは、阪神淡路大震災に精神科医として向き合った主人公が、今年の甲南映画祭の「災いに向き合う」というテーマに合致するからです。そしてもう1つは、甲南大学に縁のある映画だからです。劇中に登場する主人公の憧れの精神科医「永野先生」のモデルは、甲南大学文学部人間科学科の元教授でもある精神科医の中井久夫先生、山口直彦先生なのです。また、私は本作の主人公である「安先生」にもお会いしたことがあり、すごく身近な作品であると感じました。
Q.大学生に見てもらいたいポイントはどこですか?
A.阪神淡路大震災を経験していない学生たちに、まずは当時のことを知ってもらいたいです。本作のテーマである「心のケア」という言葉が生まれたのは、阪神淡路大震災直後なのです。大切な人を失ったり、助けることができなかったりした人々が、PTSDに苦しんだことがきっかけです。本作の主人公「安先生」も心のケア活動の先駆者の1人で、1995年は「心のケア元年」とも言われています。また、阪神淡路大震災を原点として、東日本大震災や能登半島地震の際にも「心のケア」が重視されているので、本作はこれらにも注目して見てもらいたいと思っています。
Q.映画の中で注目してほしいシーンはどこですか?
A.最後に安先生が神戸の街を見渡しながら、過去に思いを巡らすシーンです。
Q.最後に一言お願いします。
A.この映画を見て、みなさんにも「心のケア」について関心を深めてもらいたいです。
インタビュアーのコメント
この映画では、被災した人々の強さと弱さが描かれています。「誰も、ひとりぼっちにさせへん」という安先生の思いが、映画を見る皆さんにも伝わると思います。そして、防災意識を高めるきっかけにもしてもらえたら嬉しいです。
『心の傷を癒すということ』の上映時間、および映画祭全体のスケジュールは、
甲南映画祭公式ウェブサイト(https://www.konan-u.ac.jp/konan-film-festival/)をご覧ください。
(文学部教授 中町信孝)


