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    甲南映画祭 ’25 学生スタッフによる作品紹介・教員インタビュー(1)

    2025年10月28日(火) 文学部新着情報 お知らせの一覧

    文学部が主催する甲南映画祭も3年目を迎えました。今年の特集テーマは《災いに向き合う》。どんな作品を上映するのか、それぞれの映画の見どころは何か、映画祭の学生スタッフが担当教員にインタビューをします。今回は、12月1日(月)に上映する富田克也監督『典座—TENZO』(2019年)について、文学部人間科学科の林田杏さんがファヨル入江容子先生に聞いてきました。



    © 空族


    Q. なぜこの映画を選んだのですか?
    A. 今年で阪神淡路大震災から30年を迎えるという節目もあり、「災いに向き合う」という映画祭のテーマに関連する作品を選びたいと考えました。『典座—TENZO』は、東日本大震災以後の日本人の精神性や、心のあり方を描いた作品です。その点で、本映画祭のテーマに非常に合致していると思います。

    Q. この映画の特徴はなんですか?
    A. 本作の監督を務めた富田克也監督の作品の大きな特徴は、プロの俳優を起用せず、実際に現場で生きる人々を登場させている点です。緻密な取材に基づいて作られており、ドキュメンタリーとフィクションが交錯するような構成になっています。演技が少しぎこちなく見える場面もありますが、それがむしろ現実感を生み出し、独特のリアリティに繋がっています。

    Q. 特に大学生に観てもらいたいポイントはありますか?
    A. 震災を扱った作品ではありますが、中心となる2人の僧侶や、ドキュメンタリー部分で登場する尼僧の青山俊董老師が問いかけているのは、「自分はどう生きるのか」という根源的なテーマです。大学生の皆さんも、進路や将来など、様々な選択に悩む時期にあると思います。この映画を通して、自分にとっての「生きる」とは何かを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

    インタビュアーのコメント
    この映画では、 被災地の復興や夫婦の不和、「どう生きるか」といった大小さまざまな問題が描かれています。派手さはありませんが、その静けさの中に、自分の内面を見つめ直す時間をもらえた気がします。
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    『典座—TENZO』の上映時間、および映画祭全体のスケジュールは、11月より公開予定の甲南映画祭公式ウェブサイト(https://www.konan-u.ac.jp/konan-film-festival/)をご覧ください。

    (文学部教授 中町信孝)