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    秋元ゼミ オープンセミナー

    2025年10月23日(木) 文学部新着情報 お知らせの一覧

    6月27日にCity University of New York, Baruch College 現代語学比較文学科准教授の鈴木・CJ・繁先生をお招きしてオープン・セミナーを開催しました。鈴木先生は比較文学、カルチュラル・スタディーズ、批評理論、マンガ/コミックス研究を専門とし、日英両語で論文を発表されています。
     本オープン・セミナーでは「グラフィック・ノベル」とも呼ばれるコミックスが北米英語圏において新たな文学として注目されている現状の紹介から始まり、被白人や女性作家がこの表現形式を自己表現の手段として活用している動向についての紹介、そして手描きの絵と文字を組み合わせて物語を紡ぐという、コミックスのメディア固有性(メディア・スペシフィシティ)へと展開していきました。
     普段ただの娯楽として我々が慣れ親しんでいるコミックスも、学術的に考察すれば、コマとコマの間で何が起こっているのか、時間の経過がどのように表現されているのか、線の太さが印象にどのように貢献しているのか、シンプルな線が表情の記号をいかに作り出しているのか、そして今も常に新たな技術革新がリアルタイムで起こっていることなど、メディアとして注目すべき驚くほど多くの要素があることに気づきます。
     鈴木先生のお話はそういった専門的な内容を、学生にもわかりやすく開いていくお話で、学生からも多くの質問が寄せられました。学生の主体性を誘発する鈴木先生の見事なティーチングスタイルも学生たちにとって刺激になったと思います。普段身の回りにあって慣れ親しんでいるものでも、見方によっていかに学術的な考察の対象とできるのか、そしてマンガというメディアの研究対象としての可能性の無限さを教えてくれる有意義な授業となりました。(秋元)