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    台湾で日本語教育実習を行いました

    2024年9月18日(水) 文学部新着情報 お知らせの一覧

     甲南大学には、全学部の学生に開かれた日本語教員養成課程があります。そして、日本語教員養成課程の必修科目である日本語教育実習は、国内で実施するクラスと海外で行うクラスの2種類があり、どちらか一つあるいは両方を選択することができます。
     海外日本語教育実習では、毎年8月下旬に台湾台中市にある東海大学で教壇実習を行います。今年は甲南大学から6名、愛知県立大学から8名、東海大学から9名の学生が参加し、3校合同でチームを組んで、台湾在住の日本語学習者を募集し、「入門」「初級1」「初級2」という3つの日本語クラスを編成しました。そして、5月下旬からオンラインで互いに連絡を取り合いながら授業の準備を進め、8月23日から東海大学のキャンパスで計5日間の「日語営(日本語キャンプ)」と呼ばれる日本語コースを開講しました。


    入門クラスの授業風景


     入門クラスは、初めて日本語を学習する人が対象のクラスです。日本への旅行をテーマに、ゲームの要素や教室外での活動を取り入れながら、実際に日本語を使用する経験をできるだけ多く盛り込む工夫をしました。
     少し日本語学習歴がある人を対象とした初級1クラスでは、観光とオーバーツーリズムをテーマに、観光に関する日本語の学習に加え、社会問題を考える活動にも取り組みました。
     さらに日本語学習歴がある人を対象とした初級2クラスでは、学校給食、食中毒、非常食といった様々な角度から食を考える日本語の授業を実施しました。
     いずれのクラスも、あるテーマについて日本語と中国語の両言語を使いながら考える日本語教室にすることを目指しました。
     台湾の学習者の方々は皆、とても熱心な態度で積極的に授業に参加されたので、実習生もその姿勢に励まされるように毎日夜遅くまで授業の準備をしました。また、台湾という外国での実習では、生活面においても他大学の学生との助け合いが必要でしたし、昨年、実習生として参加した東海大学の先輩学生も裏方としてこの実習をサポートし、学年を超えた縦のつながりにも支えられて、台湾の学習者の方々や実習生同士の交流を深めることができました。


    初級1クラスの授業風景


    初級2クラスの授業風景


    台中市の日本語学校で学習者の皆さんと記念撮影


     台中市にある日本語学校では、日本語教員として働いている甲南大学の卒業生による日本語授業を見学させていただき、学習者の皆さんとの交流活動や先輩から海外での暮らしについてお話を聞く機会も持つことができました。
     多くの方々のご協力のおかげで、とても内容の濃い日本語教育実習が実施できたことに感謝しています。実習生の皆さんには、人々との交流を通した貴重な経験をさらなる成長につなげてもらいたいと思います。

    (文学部准教授・野々口ちとせ)