文学部人間科学科には「心理地域援助」という授業があります。小中学校での教員補助や、地域の子育て支援活動などから、学生は自分の関心に応じて活動を選択し、一年間継続的に参加します。

　今年度は11名の学生が、甲南大学人間科学研究所での子育て支援活動に参加しました。活動の中心は、地域の親子を対象に、2か月間、毎週行う親子関係支援グループ活動です。前期と後期の2グループ開催しました。

　学生は保育士と一緒に、母親がグループに参加している間の託児をしました。母親と離れると大泣きし、母親が戻ってくるととびきり嬉しそうになる様子に、親子の絆の強さを実感しました。託児中、最初は泣いている子ども達と一緒に切ない気持ちを味わいながら、優しく寄り添って過ごすうちに、子どもが次第に遊べるようになるという変化も体験しました。
父親以外の男性との接点が少ない子どもには、大学生男性との交流も新鮮だったようです。
全8回の最終回には、参加してくれた親子の前で人形劇を披露しました。子どもたちは興味津々で楽しんでくれました。

自分が親になるまで、乳幼児や子育て世代とあまり交流したことがない人が多いかと思います。このような世代を超えた交流機会は、親子にとっても大学生にとっても貴重ですし、大学生にとっては、将来の働くことや育てることを含めたライフプランを考えるきっかけになっています。
（文学部教授　北川恵）