文学部には博物館学芸員の資格を取得するためのカリキュラムがあります。美術コースを選択した３年生は、夏休みに活躍中のプロのアーティストと一緒に学内のギャラリーで展覧会を企画します。ところが、今年は新型コロナウイルスの影響で、学内での展覧会を開催することができませんでした。

　そこで、ウェブ上での仮想展覧会を企画することにしました。アーティストのムラギしマナヴさんと何度もオンラインで打ち合わせをして、展覧会のコンテンツを工夫しました。印象的だったのは、参加した学生がどうしても紙のチラシを作りたいと希望したこと。担当教員もムラギしさんも、ウェブ展覧会だから広報もウェブでいいじゃない、と考えたのですが、学生は昨年の先輩が作ったチラシを見ていて、チラシ作りに憧れていたそうです。それならばと、思い切ってデジタルなコンテンツをアナログなチラシと連動させようということで、チラシを切り抜いて組み立てるとリアルの展覧会が再現（？）できるようにしました。そして、組み立てたオリジナルな展覧会をInstagramで次々と公開していきました。

　コロナ禍だからこそ実現した独創的な展覧会の企画は、参加した学生たちにとっても大きな学びの機会になったようで、ある学生は「今回の実習は、私にとって自由な思考の可能性を知ることができた貴重な機会でした」と振り返っています。

　展覧会の特設サイトは終了しましたが、ギャラリーのサイトでチラシを、Instagramでは学生たちが作った模型とコメントを見ることができます。（文学部人間科学科教授　服部正）

https://www.instagram.com/galerie.pensee/

https://www.konan-u.ac.jp/faculty/letters/pensee/


Zoomでの企画会議の様子