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    第15回『甲南の教員が解説するNobel Prize 2020 化学賞・物理学賞』を開催しました

    2021年2月12日(金) 理工学部新着情報

    甲南大学理工学部では、理工学部所属の教員がノーベル賞受賞テーマを解説する『甲南の教員が解説するNobel Prize 』を開催しています。
    「ランチをしながら最新の科学の話題に親しみを持ってもらう」をコンセプトに「SaLaCoランチョンセミナー」として開催していましたが、新型コロナウイルス感染症による状況等を鑑み、「ランチ」形式は取り止め、「対面/オンライン」による併用し、昨年12月24日(木)に第15回『甲南の教員が解説するNobel Prize 2020 化学賞』、1月13日(水)に『甲南の教員が解説するNobel Prize 2020 物理学賞』を開催しました。

    今回、オンライン形式を導入したため、本学教職員・学生のすべてがオンライン(zoom)で参加することが可能となり、理工学部7号館の「サイコモンズ(SaLaCo)会場」、14号館多目的レクチャールーム、フロンティアサイエンス学部(FIRST)があるポートアイランドキャンパスでも中継しました。

    12月24日に行われたノーベル化学賞の解説は、遺伝子工学の技術である「ゲノム編集」について、画期的な方法を発表した2人の女性科学者に焦点をあて、理工学部生物学科の久原篤教授が2020年ノーベル化学賞の全容を、自然科学研究科生物学専攻修士課程2年次の水野賢美さんからは自身の研究に活用した実験内容について発表いただきました。


    ゲノム編集については、「遺伝子組み換え技術」に代表されるように、私たちの日常生活にも密接に関係し、さまざまな生活や環境などに貢献しています。一方で、人に対する技術の応用等では、社会倫理面で問題が多く含んでいることもあります。お二人からは、自然科学系の方々のみならず、人間や食品の遺伝子組み換えに関する法律など、人文・社会系の方にも非常にわかりやすく解説いただきました。


    続いて、1月13日に行われたノーベル物理学賞の解説は、ブラックホールの「宇宙の最も暗い秘密」に関して、3人の研究者に焦点をあて、理工学部物理学科 冨永望教授と大神隆幸研究員が行いました。大神研究員は、今年のノーベル物理学賞テーマにも関連する「ブラックホール研究」の第一人者であります。


    ※解説時は2m以上距離を取って話しています。

    解説の中では、アインシュタインが提唱した「一般相対性理論」からブラックホールに関連する重力波について、そして、一般相対性理論がブラックホールの形成につながることを示す「特異点」の存在について、ブラックホールが存在する(出来る)ことをわかりやすく紹介しました。

    また、日本の国立天文台が運用する「すばる望遠鏡(ハワイ)」が天の川銀河の中心にあるブラックホール周辺の重力場に対する相対論的効果の測定に成功したこと、Event Horizon Telescopeがブラックホールの直接撮像に成功したこと、日本の重力波望遠鏡KAGRAが運用を開始したことなど紹介しました。これは、日本におけるブラックホール研究の科学的な重要性が認められ、今後のブラックホール研究の推進につながるかもしれません。
    今回は、今年の物理学賞の解説テーマでもあった『SFの世界だったブラックホールの存在』を証明(解説)いただき、『宇宙の最も暗い秘密』に希望の光を差していただく貴重な時間となりました。

    (理工学部 サイコモンズ企画運営委員会)