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    リサーチフェスタで審査員特別賞を受賞しました!

    2021年3月02日(火) マネジメント創造学部新着情報

     私は、かつてからアフリカに対して抱いていた「貧困」という固定概念を変えようと思い、CUBEの「開発経済-アフリカ各国の経済成長-」研究プロジェクトを受講しました。このプロジェクトでは、学生がアフリカ諸国から担当する国を1カ国選び、各担当国が属する地域(例えば北アフリカ、南アフリカなど)ごとにグループに分かれて、「アフリカの持続的な経済成長のために日本ができることは何か?」というテーマについて考え、リサーチフェスタでの発表に向けて準備を進めました。

     私が担当した東アフリカのグループは、アフリカの人々が農業において誰でも簡単に商品作物を生産/販売できるアプリの開発を提案しました。アフリカ諸国、特に東アフリカでは人口の半分以上が農業に従事しているにもかかわらず、農業のGDP比は3分の1程度でしかありません。なぜなら、多くの農家が商品作物(販売を目的として生産する農作物)を栽培するのではなく、生活するための自給品を栽培しているからです。しかしアフリカの農家が日本のように商品作物を生産することができれば、従事者が多いのでそれだけの経済成長が見込まれると考えました。そこで携帯の普及率が高いアフリカの特徴を活かし、解決策として、農作業を管理し、市場価格を確認できるアプリを開発しようという結論に至りました。



     リサーチフェスタでは光栄なことに審査員特別賞を受賞することができましたが、準備段階においては困難も多々ありました。1つはオンライン授業のためグループワークが計画的に進められなかったことです。対面で集まって話し合うことができなかったため、授業時間内で内容の詰まった発表を作ろうと考えていると話が進まず、発表の直前まで準備に取りかかっていたことを覚えています。もう1つはアジア経済研究所でアフリカ部門の主任調査研究員として活躍されておられる福西隆弘先生に発表を聞いていただき、たくさんのご指摘をいただいたことです。私たちが考えた案はあくまでもインターネットから得た情報やデータをもとに考えたものであったため、実際に何度もアフリカを訪れておられる先生からは様々な問題点を指摘していただきました。私たちは考えた案に対して少し自信があったので、その時はチーム全体でとても落ち込んだことを覚えています。しかし、アフリカの方にとって使えるアプリを開発するという視点が大事だと改めて認識することができました。
     
     これらの困難を踏まえて発表内容の改善と工夫に努め、アフリカの話を初めて聞く人でも分かりやすく、且つこのアプリに実用性を感じてもらえるよう、スライドのデザインを重視したり、スライドに合わせて制限時間内に簡潔に説明することをグループ全体で心がけたりしたことが、審査員特別賞の受賞に繋がったのではないかと考えます。 

     アフリカは確かに貧困国ですが、実は世界中のどの国よりも若年人口が多く、生産性を伸ばす可能性があり、これから先、大きな経済成長を成し遂げることができる国となりうることを学びました。また物事を考える視野が広がりました。今までは世界経済に関するニュースを見ても、アメリカや中国を中心に考えていましたが、いまでは「もしそこにアフリカが関わっていれば?それがアフリカの経済成長につながる可能性は?」などと考えるようにもなりました。今回のプロジェクトを通じてあまり触れたことがなかった「アフリカ」という新しい分野を知ることで、世界の見方が今までと変わり、そして様々な角度から物事を考えられるようになったと思います。

                                   (マネジメント創造学部4年次  橘 優佳)



     上段左から、上村昂大さん、秋山カレンさん、前田一樹さん
    下段左から、橘優佳さん、平尾優衣さん、豊島龍一さん