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    白鶴美術館との連携プログラム「博物館学芸員の仕事を知る」実施報告

    2020年1月24日(金) 文学部新着情報

     甲南大学と白鶴美術館は、2017年度から美術館における来館者教育プログラム(*)の実践と大学教育を取り結ぶ企画を連携して行っています。本年度は「博物館・美術館を内部から見てみよう」として、博物館や美術館の学芸員の仕事に文学部歴史文化学科の学生4名が協力しつつ、博物館・美術館の運営に携わりました。

     活動内容は、1.ワークショップにおける来館者への指導(春期・秋季の2回、計8日)と、2.指導において必要な知識や技術を身につける研修です。
     春期には、白鶴美術館所蔵の狩野元信「四季花鳥図屏風」(重要文化財)の展示に関連して、屏風の構造を理解してもらえるようなミニチュア作成のワークショップの指導を学生が行いました。それに先立ち、「四季花鳥図屏風」のレプリカを用いた研修を行い、屏風の構造や取り扱いなど、基礎的な事柄を一通り学び、ワークショップに備えました。
     秋季には、絨毯(じゅうたん)の展示をより理解してもらうためのワークショップを実施しました。参加した学生スタッフの提案で、絨毯の文様をあしらったブックマーカーを作成するプログラムを開発し、来館者への指導を行い、作成したブックマーカーの文様がどの絨毯から取られているのか、再度絨毯を注意深く見てもらうことにつながったり、展示を見た記憶が後日に呼び起こされるなど、来館者への様々な効果があったと感じています。

     学芸員の仕事の一つに、館蔵品のメンテナンスや作品の保存管理の仕事がありますが、外部の専門業者の指導を受けることや、保存修復の処置を依頼することを行っています。8月8日には、奈良文化財研究所を訪れ、木簡などの発掘遺物の保存処置を学びました。また、襖の取っ手や神社や城郭の建築に用いられる錺金具(かざりかなぐ)製作の工房を訪れ、文化財の修復現場で行われている技術を実見するとともに、錺金具製作の体験を行い、文化財の保存管理の一端を学ぶ研修を行いました。
     また、3月には茶道の家元宅を訪問し、茶器や茶道具について基本的な事柄を学び、次年度のワークショップへつなぐ研修を予定しています。

    *教育プログラムとは、展示作品をより理解してもらうためのワークショップです。