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甲南高校でえん罪について講演しました!(1)
2019年12月06日(金) 法学部新着情報 甲南高校3年生の「法学入門」の授業で、えん罪救済ボランティアの学生が講義をしました。
甲南高校で講義をさせていただくのは昨年に続き2回目です。昨年はDNAが冤罪を晴らすきっかけとなった「足利事件」を題材に、えん罪が起きてしまう原因を分析しました。今年は「東住吉事件」を取り上げて、えん罪の原因を検討しました。
東住吉事件は1995年に発生した事件です。内縁関係にあった男性と女性が共謀し、女性の長女に保険金をかけた上で男性が自宅に放火し、長女を殺害して保険金をだまし取ろうとしたとされました。2人は取調べで当初犯行を自白し、その後否認に転じました。裁判所は2人にそれぞれ無期懲役判決を言い渡しました。
その後、犯行方法に関する男性の自白どおりの方法で火を放ったらどうなるかという再現実験などが行われ、2人の自白が虚偽のものであったこと、そもそもこの事件は放火ではなく自然に発火してしまったものであったことが明らかになりました。最終的には再審請求が認められ、事件から21年後にようやく2人は無罪判決を言い渡されてえん罪を晴らされたのです。
講義に向けて東住吉事件についてじっくり勉強するだけではなく、再現実験の動画などを集め、プレゼンテーションを作り上げていきました。講義2週間前からは放課後や週末も集まってがんばりました。
また、準備にあたっては、東住吉事件のえん罪被害者である青木惠子さんにも直接お会いしてお話しをしていただく機会を得ました(青木さんは、12月17日にも本学に講演に来て下さることになっています)。
さて、とうとう本番の日。果たして講演はうまくいったのでしょうか…。(「2」につづく)
《法学部教授・笹倉香奈》