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「現場」が教えてくれたこと―社会学科学生のNHK大阪放送局での実習報告―

2019.6.10(月)文学部

■マスメディアの“今”をNHKに学ぶ
 私たち文学部社会学科3年生9名は、2019年5月13日に演習科目「ゼミナールⅢ」の課外実習の一環として、現役のテレビドキュメンタリー・ディレクターである松本章伸先生の引率でNHK大阪放送局(大阪市中央区)を訪れました。
 これまである特定の地域に根ざしたラジオ局の取り組みや、テレビなど様々なメディアとそれらが持つ機能について、文献講読や調査を行ってきました。NHKでの実習は、教室での学びを踏まえて、普段私たちが目にするテレビの裏側の最前線を体感することが目的でした。また、視聴者として私たちが見てみたいと思う新たな番組企画を考案し、報道部プロデューサーへの企画提案を通じた意見交換を行うことで、日々変化するマスメディアの在りようを理解することを目指しました。

■半日、「テレビマン」体験!
大阪放送局では大きく2つの経験をしました。
(1)実際のテレビ番組収録の現場で用いられている「クロマキー」と呼ばれるCGと実写を合成する映像技術を体感し、ドラマの撮影スタジオや編集室の見学、さらに実際にニュース番組で用いられているカメラやプロンプター(注)を用いた報道の現場を体験し、テレビの作られ方を経験しました。
(注): 放送スタジオの際に電子的に原稿などを表示し、アナウンサーなどの読み手を補助するための装置・システムのこと。

(2)今回の実習の一番の目的は、吉見和紀さん(報道部プロデューサー)への聞き取りを行うと共に、私たちがグループごとに「大学生の私ならこんな報道番組なら観る」をテーマに考えた新しい番組企画を提案することでした。与えられたプレゼンテーションの時間はわずか3分。限られた時間でいかに的を絞って的確に伝えることができるか、初めて経験する「時間」と「緊張」のプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、思いの丈をぶつけました。

<私たちが考えた新規番組企画のコンセプト>
① 「働くボクらの奮闘記」
労働力と引き換えに対価を稼ぐ「アルバイト」。ボクたちが働く理由は、ただお金を稼ぐことではない。なりたい自分になるための挑戦など、大学生が初めて経験する社会との接点から、「働く」ことを考える企画。
② 「ドラマ式報道番組」
番組制作費と視聴率のデータを検証すると、必ずしも予算=視聴率であるとは限らないことを明らかにし、最も視聴率が伸びているドラマという手法を用いて国内外の時事情報を紹介する番組企画。
③ 「126万人の”金メダリスト”」
2020年に来たるオリンピックイヤー。スポーツ選手のみならず、誰にも秀でた技術や魅力がある。若くして起業した大学生、世界へ羽ばたく大学生、全国津々浦々、様々な場所で活躍する大学生の奮闘をみつめる企画。

 いずれも大学生の視聴者を対象に、深夜23時以降に放送する5分間の特集を想定して考えたものです。
 吉見さんは、私たちが提案した企画に対して、一つずつ検討してくださいました。Netflixなど米国の映像ストリーミング配信会社に代表される定額制が浸透している状況において、「番組を観るのに視聴者にいくら払ってもらえるのか」という、視聴者と作り手の両方の立場に立って、私たちの企画について議論をさせていただく機会を得ました。普段見聞きすることが出来ない裏側を知ることで、NHKを身近に感じることが出来ました。

■実習を通して得た学びと今後の課題
 今回の実習で私たちは、実際に制作の現場を訪問させて頂き、制作に携わる方の生の声を聞くことで、普段テレビの前だけでは把握しきれない多くのことを学びました。一つ一つの番組には多くの方々が関わっていることに加えて、必ず何を誰に伝えたいかという明確な目的があって番組が制作されていることが分かりました。
 このことは決してテレビの現場だけではなく、私たち自身にも同様のことが求められているように感じます。個々に研究課題を持ち、日々取り組んでいますが、この研究も何について研究し、何が知りたいのか、またそれを誰に伝えなければいけないのかを考えなければいけません。今回の実習では学びの原点に改めて気付かされ、私たちの大きな課題も認識することができました。
執筆:岩田萌花、岡本慎司、小松崎真央、川村秀成、貞松雅崇、平久保拓馬、山下梨乃、山本紘大、山本峻輔(文学部社会学科3年生)

<実習実施後記>
 2019年度前期の演習科目「ゼミナールIII」での学びにおいて、特に注力していることは「現場力」です。3年生はこれからそれぞれの興味関心に基づいて、卒業研究の調査対象を絞り込み、フィールドで調査を行うことになります。そのための方法論を学ぶ体験の一つとして本実習を計画しました。何よりも「現場」に出向き、対象者とお話をすることで初めて知り得る新たな情報や、それら未知なることを学ぶ楽しさを味わってもらいたい、という願いもありました。今回の経験を一つの礎として、受講生の皆さんが今後取り組む調査を楽しみにしています。
 最後になりましたが、本実習の受け入れをご快諾くださり貴重な経験をさせてくださったNHK大阪放送局の吉見さん、関係者の皆さんに改めて感謝申し上げます。
(演習科目「ゼミナールⅢ」担当:松本章伸)

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