PROFESSOR’S VOICE えん罪で苦しむ人のない、公正な司法を求めて Kana Sasakura

甲南大学の法学部には、えん罪救済活動に力を入れる研究者がいます。笹倉香奈教授は日本版イノセンス・プロジェクト「えん罪救済センター」の副代表。無実の罪で苦しむえん罪被害者を支援する活動をおこない、刑事司法のあり方を追究しているのです。ここでは、笹倉教授の研究内容やボランティアとして参加する甲南生の様子を紹介しましょう。

笹倉香奈 法学部 教授

東京大学法学部卒業、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、2008年に甲南大学へ。専門は刑事訴訟法。

2011年9月から1年間ワシントン大学ロースクールに客員研究員として留学し、研究の傍らイノセンス・プロジェクトの活動に参加。現在、日本版イノセンス・プロジェクト「えん罪救済センター」副代表や揺さぶられっ子症候群(SBS)を考える「SBS検証プロジェクト」共同代表を務める。

PROFESSOR’S VOICE 01 アメリカでイノセンス・プロジェクトに参加し、えん罪に関心を持つ。

わたしの研究テーマは刑事訴訟法ですが、なかでも特に死刑や終身刑、科学的証拠の問題など、えん罪に関わるテーマを専門としています。えん罪に興味をもったのは、ワシントン大学ロースクールに留学した際に、イノセンス・プロジェクトの活動に参加したことがきっかけです。弁護士や他の学生といっしょにアメリカのえん罪事件に取り組み、疑いを晴らすにはどのような証拠が必要かを考え、DNA鑑定などを求めるといった活動をしていました。

PROFESSOR’S VOICE 01 「えん罪救済センター」立ち上げから約2年、相談件数は300件に。

イノセンス・プロジェクトは、科学技術の発展による、新たな科学的証拠を活用してえん罪事件を救済しようという取組です。アメリカの社会や刑事司法に大きなインパクトを与えました。日本でも同じような活動をすべきだと考え、帰国後、日本版イノセンス・プロジェクト「えん罪救済センター」の立ち上げに関わったのです。

2016年4月の立ち上げから約2年。主要メンバーは30人、相談件数は300件ほどになり、今はそのうち数十件について調査しています。また、2018年8月には台湾やアジアのえん罪救済団体などと共同で、えん罪救済をアジアの人権問題として取り組んでいこうと宣言。アジアのえん罪救済ネットワークづくりを進めています。

PROFESSOR’S VOICE 01 えん罪救済サポーターとして甲南大学の学生もさまざまな場で活躍。

「えん罪救済センター」では、刑事事件のえん罪被害者を救済するため、弁護士などの司法実務家、法学者、心理学者、情報科学者などが無償で活動しています。学生も「えん罪救済学生ボランティア」として、センターの活動を支援してくれています。

学生は甲南大学、立命館大学、龍谷大学の3つの大学から集まり、甲南大学からは約90名の学生が参加。法学部以外の学部学生も参加しています。学生たちは、膨大な資料の整理や事務作業を手伝ったり、SNSに自分たちの活動内容やえん罪について投稿するといった広報活動をしています。その他にも、学生主催でシンポジウムを開催し、活動をPRするTシャツやピンバッジをつくって配布しました。甲南大学の学生たちは、えん罪で殺人犯にされた人たちを取り上げた映画「獄友」とタイアップして、神戸の映画館で上映される際にイベントをおこなったこともあります。

中高生にもえん罪について考えて欲しいと、灘中学校や甲南高校で授業を行いました。これは、甲南大学リサーチフェスタに来てくださった高校の先生に学生たちから声をかけて実現したものです。

PROFESSOR’S VOICE 01 社会の問題を他人事にせず、自分で考えられる人になって欲しい。

こうした普段の活動に加えて、長期休暇には研修旅行もおこなっています。今年は東京に行き、えん罪被害者や弁護士、検察官、拘置所の職員などに話を聞くことができました。

そのときの学生たちの目の輝きは授業を受けているときとはまったく違います。そこでなにかを感じ取ってくれた学生は、自分も積極的に動いていかなければという気持ちになるようで、こういった瞬間はわたし自身にもとても刺激になります。

学生たちには、えん罪救済の活動を通してえん罪の問題や刑事司法・刑事訴訟法の問題について学ぶことはもちろん、社会で起こるいろいろな問題を無視しないで欲しい。授業では聞けない話を聞き、自分の問題として捉えた上で、どのような解決方法があるのか、社会や政治はどう変わるべきかを自分自身で考えて欲しい。なによりも、いまの法律が本当に正しいか、もっと良くできる部分はないのかを考えて欲しいと思っています。

PROFESSOR’S VOICE 01 学びたい学生には多くのサポートや機会がある、それが甲南大学。

授業だけでなく現場で体験ができるのも、甲南大学の魅力のひとつです。いろいろな場所へ行こうとすると交通費や宿泊費の負担がかかりますが、えん罪救済のボランティア活動はKONAN プレミア・プロジェクトの一環となっているため、学生たちの負担を抑えることができています。学びたいと思う学生にはサポートがあり、機会がある。甲南大学はそんな大学です。

「もっと社会を知りたい」「社会に出る前にいろいろなことを学びたい・経験したい」「いろいろな人に会ってみたい」。そう考える方は、ぜひ甲南大学を志望してください。そして、えん罪の問題についてもいっしょに考えていければと思っています。

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